BON's diary

「何考えてんだ、お前はっ!」 「い、いろんなこと」

【世読】No.1 「息災」巻一〈倭文用語類〉(web読書会『世説故事苑』)

http://base1.nijl.ac.jp/iview/Frame.jsp?DB_ID=G0003917KTM&C_CODE=0364-002402&IMG_SIZE=&PROC_TYPE=null&SHOMEI=%E3%80%90%E4%B8%96%E8%AA%AC%E6%95%85%E4%BA%8B%E8%8B%91%E3%80%91&REQUEST_MARK=null&OWNER=null&BID=null&IMG_NO=6 これ真言家(しんごん…

【世読】(web読書会『世説故事苑』) prologue 序文

以前行なっていたweb読書会、新しいテキストに換えて再開します。 今回取りあげたテキストは『世説故事苑』です。書誌を以下に示しておきましょう。 全5巻(5冊) 著者 子登 出版 正徳6年(1716) というわけで前回の『和漢真俗仏事編』と同じ編著者・子…

〈最終回〉よこみち【真読】№146「やっぱり仏?」

本編の編著者・子登とは密教系修験者じゃないだろうかと以前に目星をつけていた。修験者はまた仏教-神道の双方にわたるほぼオールマイティな教養を持っている。で、この人の場合は、神道よりは仏教の方に、仏教の中では密教に、より肩入れが強い。今回の項…

【真読】 №146「神託、仏語多し」 巻六〈雑記部之余〉(『和漢真俗仏事編』web読書会)

テキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号61 『神国決疑編』に曰く、伊勢の神官には仏法を避けるとす。しかれども実に避け斥(きら)うに非ず。ただ祭祀の場に臨んで屏息(へいそく・いきをおさむ)するのみ。神宮の秘記の中、内典…

よこみち【真読】 №145「不如意」

水道配管工の友人が言っていた。「段取り八分。したくがばっちりだったら仕事のほとんどはできたようなもんだ」と。小規模ながらいくつかの事業経験をしてきて、その言のたしかさもうなづける。 仕事の支度、食事の支度、旅の支度。 では本編に掲げた桜にせ…

彼岸を迎える

戸数十件に満たない集落。少子高齢化の典型のようなそこでこの5年ほどの間に新築の家が三軒。三軒目の家の仏壇の魂入れ(開眼)をさきほど終えてきた。 「子供たちもみんなよそに所帯持ったんで私たち夫婦二人、前の家も古くなったし建てるなら今だと思った…

【真読】 №145「支度(したく)」 巻六〈雑記部之余〉(『和漢真俗仏事編』web読書会)

死に支度いたせいたせと桜かな 一茶 テキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号61 支度とは、本尊供養具の支具(しぐ)いかほどと度(はかり)こしらゆる意(こころ)なり。この文字の出処を繹(たづぬ)るに、『集経』十三(三十二…

よこみち【真読】 №144「おまえはどうだ?」

与えられた定命業をまっとうせず、不慮にして夭死してしまうことを非業の死と言うなら、それは普通のことではない。それゆえに非日常的なことであり不合理なことでもあり、絶対的少数なことであるはずだ。 しかし七年前の三月十一日に起こった出来事はその不…

【真読】 №144「非業の死」 巻六〈雑記部之余〉(『和漢真俗仏事編』web読書会)

テキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号61 非業の死とは夭死(ようし・わかじに)を云う。閻浮の人寿の定業に非ざれば、非業の死と云う。 その本説を出さば、『金剛寿命陀羅尼経』に曰く、その時世尊、東方に向かって弾指し、一切…

よこみち【真読】 №143「HAPPY BIRTHDAY」

子供の頃、誕生日と云えば友達を呼んでささやかな会食をしたり、親から玩具をもらって喜んだりという思い出がある。自分が子の親になってつくづく思うのだが、あれは親が子供の喜ぶ顔を見たくて行う家庭行事だったのだなとふり返っている。 そんな俗っぽいこ…

【真読】 №143「誕生日の賀」 巻六〈雑記部之余〉(『和漢真俗仏事編』web読書会)

テキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号61 俗に毎年の誕生日の賀をなすあり。 按ずるに、秘軌にこの法、出でたり。『金剛寿命陀羅尼念誦法』に曰く、もしよく三長斎月(正・五・九月なり)或いは自らの本生日(誕生日なり)に於い…

よこみち【真読】 №142「大人になんてなりたくない」

なべて生き物は年経ることによって成熟するものだ、と若い頃は思っていた。だがまわりを見回し自分を省みてどうもそうではないということが明らかになってきた。複数の経験から「なれ」を装う術は多くの人が見につけてゆくが、いったん切羽詰まった場面にな…

【真読】 №142「白髪の年少」 巻六〈雑記部之余〉(『和漢真俗仏事編』web読書会)

テキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号60 たとひ白髪の老僧なりとも、無徳なれば小僧に同じ。これを白髪の年少と云う。『行持鈔』に云く、律の中に、阿難、衆を摂するに無法なるを、迦葉見て呵して「年少」と呼ぶ。阿難、問うて…

よこみち【真読】 №141「やけどするわよ」

かつて、近くのお寺でぼや火事があり、お見舞いに伺った。庫裏には方丈様がおいでになり、そのお寺の総代さんが二人ほどいて、事の対処に相談中のようすだった。表書きに「祝融見舞い」としたためた赤のし紙の清酒二升を床の間に捧げ、このたびは大変なこと…

【真読】 №141「火難あれば鐘を打つ」 巻六〈雑記部之余〉(『和漢真俗仏事編』web読書会)

火災あれば鐘を打って人を集むること律に出たり。『五部律』に云く。もし野火来たらば、まさに揵稚(けんち、鐘なり)を打って唱令せよ。

よこみち【真読】№140「クスリの効果」

仏教で薬と言えばすぐ思い出されるのが薬師如来。あの左手にもつ薬壺について12世紀の真言密教書『要尊法』中に次のように見える。「法界定印上有藥壺。壺内有十二大願妙藥放十二光照。施主身遇此光者除病延命」(大正蔵78、194c) ここにある十二種の大願…

【真読】 №140「僧の合薬」 巻六〈雑記部之余〉(『和漢真俗仏事編』web読書会)

テキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号60 『事鈔』に『善見律』を引いて云く、医師と作(な)ならば吉羅を得て、出家の五衆ために薬を合わすことを得る。もしくは和尚、父母の寺に在りて疾病せば、弟子、また薬を合わせることを…

「声もよし節もよしとて高ぶるな」

「声もよし節もよしとて高ぶるなまごころなきは下手とこそ知れ」。 梅花流を学ぶ人であれば一度はこの歌を耳にし、あるいは目にしたことがあるだろう。詠唱の技巧や恵まれた声音の資質に奢ることなく、至心かつ謙虚に信仰のお唱えとして勤めよ、という梅花流…

よこみち【真読】№139「世渡り上手は嫌われる?」

知に働けば角が立つ、情に棹させば流される。 さとりにたどり着けぬ、迷いに閉ざされた領域、そのそれぞれを八種に分かって三塗(途とも)八難という。その八番目「世智弁聡」。中村『仏教語大辞典』には、「世俗のことにさかしく利口なさま。世渡りの智慧が…

【真読】 №139「世間の学」 巻六〈雑記部之余〉(『和漢真俗仏事編』web読書会)

テキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号59 俗典に達し、詩文を巧みにし、書を能くする等は、並びに世法なるを以て僧の事(わざ)とするに非ず。然りといえども外道を伏するために外書を学せよと『四分律』にこれを聞く。このゆえ…

よこみち【真読】 №138「仏教儀礼の執物」

執物(とりもの)。神道儀礼ではよく知られた名前。 たとえば『神道辞典』は、「採物 神楽などの神事芸能で舞人が手に持って舞う物。執物、取物とも記す。あるいは神事・舞に用いる用具を清めるための舞において、舞人が手にする物を採物ということがある。…

【真読】 №138「扇を執るは僧の礼」 巻四〈送終部〉(『和漢真俗仏事編』web読書会)

テキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号59 僧の扇を執るは、これ礼なりとす。 『要覧』に云く、西天、多くは扇を執る。『阿含経』に云へるごときは、阿難と羅云(らうん)と皆な扇を執りて仏に侍す。優婆律蔵を結集するとき、波斯…

よこみち【真読】№137「あなたも私もありがとう」

乞食・托鉢の話題は本編の巻三№69「托鉢の僧に施す」でも取りあげていて、そのよこみち「マジメだけじゃ、つまんない」で行乞に関わるいくつかの説を紹介した。http://ryusen301.hatenablog.com/entry/2016/01/17/101801http://ryusen301.hatenablog.com/ent…

【真読】 №137「乞食(こつじき)の法」 巻六〈雑記部之余〉(『和漢真俗仏事編』web読書会)

テキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号59 今の托鉢の僧をみるに、多くは口を養うためのみ。なんぞ杜多(づだ)の浄行ならむ。まことに誡むべし。このゆえに如法を知らしむ。 『行事鈔』に『四分律』を引いて云く、比丘、村に入て…

よこみち【真読】 №136「業のことなど」

業の問題をしばしば取りあげている道元だが、今回の本編のテーマに触れて、永平広録の中の次の説示を取りあげてみたい。 それは広録巻7-517上堂である。 闍夜多(しゃやた)大士と鳩摩羅多(くもらた)尊者の問答に因んで道元が展開する場面だ。 大士が尊…

【真読】 №136「業報は聖者も免れず」 巻六〈雑記部之余〉(『和漢真俗仏事編』web読書会)

テキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号58 『増一阿含』に云く、大目連、乞食に出て梵志に囲まれ、瓦石を以て骨肉を打たるる。これ往業に依てなり。 それより還りみれば、舎利弗、風の疾いを以て先だって入滅す。三界の諸天、涙を…

よこみち【真読】 №135「ゆれる思い出」

小学校の頃、なにか不始末をやらかして「罰として一週間の便所掃除!」などと先生に叱られる・・そんな場面が記憶がある。 「罰」として成り立つということは、一般にはイヤな、耐えがたいことだからだと思うが、そんなイヤなことをさせられるのが「便所掃除…

「たましい」その1 柳田邦男『『犠牲』への手紙』(文藝春秋、1998年)

(2)「たましい」を探し求めて‐毎日新聞に答えて ‐本をまとめた原動力は柳田 河合隼雄さんが「人間は物語らないとわからないところがある」といっています。私も息子も人間存在の暗闇を見てしまったような気がします。息子を亡くした私がもう一度再生して…

【真読】 №135「厠を浄むる功徳」 巻六〈雑記部之余〉(『和漢真俗仏事編』web読書会)

テキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号58 『虚空蔵経』に曰く、もし懺罪の人あらんに、厠を治すること八百日すれば、よく罪咎を滅す(要覧)。雪竇(せっちょう)禅師、霊隠寺の厠を掃除する役お司りしもこれに依ってなり。義堂…

よこみち【真読】 №134「ドライとウェット」

ときどきその解説に違和感を感じる所のある『真俗仏事篇』だが、今回のテーマがそうだった。 いわく、「寄付とはあづける義にして、与ふる義にはあらず」。 これまで寄付とは布施とほぼ同意で、したがって「喜捨」ということだと思っていた。たとえば寺院に…