犀の角の如く・・(続)
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そう言えば昔、伊藤博文の書と伝えられる横一行書の額がうちにあって
それに「清風獨行」と書いてあった。
母親の実家がある鉱山の中で何かしらの役を担っていたらしく
(この辺のことをいつか詳しく調べてみたいと思っているのだけど)
母の曾祖父だか祖父に当たる人が
八歳の頃、鉱山の視察か何かで(ずいぶん不確かな内容が続くな)
その家にやってきた伊藤博文のために墨を磨り
それで筆を執ったものと聞かされた。
そのいきさつと伊藤の真筆かどうかはともかく
「獨行」という言葉が、犀の角の話を踏まえたものならおもしろいと思った。
伊藤のことも、一通りのこと以外、なにも詳しく知らないのだけど
動乱期の明治政府にあって、
初の内閣総理大臣となったその人の座右の銘をこの言葉にうかがうことが出来るとすれば
それもまた興味深いと思う。
言ってみれば「犀の角」のように歩む「獨行」の道とは
世の中の大勢そこを歩むには大変な困難を伴う「中道」のこと
その歩むさまを「清風」と言いのけるとはなかなかの気概。
はたしてその胸中やいかがなものだったのだろうとしばし思いを馳せてみた。
余談ながらこの額、平成18年の火災に於いて
ことの真偽を詮索するすべとともに、灰になってしまった。