メガソーラー 続
2月にメガソーラーについて書いた。
最近、その件で地元の知人Uと話す機会あり、改めて思うところあった。
前回は批判的な言い方が多かった。その理由、
1)地元雇用はほとんど生じない。
2)生産される電気は、地域にとって利益を与えるわけではない。
3)ソーラーパネル設置場所は二〇年間他への転用が出来ない。パネル設置はその場所を「塞ぐ」ことになる。
“行政側にすれば、年来の企業誘致問題を美名の下に切り抜ける手段とも言えないか。
失礼な言い方をすれば、「自分たちの得にもならないものにタダで土地を貸す」という意識が住民側にわだかまっている”
こんな締めくくり方をしていた。
さて先の夜、二人とも3リットル近いビールを飲み、ほどよくと言うには少々すぎた酩酊になりかけた頃、Uが切り出した。「俊晃さん、メガソーラー反対なんですか?」。
Uいわく
たしかに地元雇用は生まない。地元地域に直接的な利益はない。
だが、この土地をこのままにしておいてアテもない企業誘致を夢見てほったらかしにしてもしょうがない。
電力売却による利益は事業継続するためには十分な目算が成立している。
借地料収入として市には有益。
と。
振り返って自分の考えをコテコテの地元民の心情だったと確認したのだった。
現在この地へ単身赴任中のUの指摘は、言うなれば消極的選択、それもドライに周辺状況を見回した上での。
1))地元雇用を生み出す企業誘致は今後あり得るか → ない
2))生産される電気はどこに利益をもたらすか → 企業
3))なにも生み出さない土地を放置しておくのは是か → 否
先の私の考えとUの意見の対立点は瞭か、
現実を無理めな上昇展望のうちに捉えるか、下降状況を冷静に見つめるかにある。
言うまでもなく地元民の心情というのが前者。
おそらく私を含め地元の人々は、声に出さずとも後者のことは肌でしっかり感じている。
だからそれに唯々諾々出来ないために心理的に抵抗しているのが前者の立場になっている。
「ほら現実ってこうでしょ、だからこれしかしょうがないじゃない」
という提案にあらがっているのだろう。
そしてここでもうひとつ気づく、
もしかして全国のそんな地域状況を周到に調べた上でここへ白羽の矢がたてられたのか。
窮乏のために大事な娘を売り渡す、そんな連想が浮かび、胸が悪くなった。