BON's diary

「何考えてんだ、お前はっ!」 「い、いろんなこと」

清水脩「新しい仏教音楽に就て(一)~(五)」『中外日報』昭和23年7月23,24,25,29日

梅花流発足以前の「仏教音楽」をめぐる動態観察のための資料

 

新しい仏教音楽展開のための五つの条件

1,仏教音楽の創作と演奏に携わる人の宗教的信念の存在
 「新しい仏教音楽に携わる者は、僧侶又はこれに準ずる者、或いは少なくとも篤信者でなければならない」

2.音楽的根拠をどこに置くか 洋楽形式と古来の仏教音楽(旋法、律動、和〓的骨格、音響的構成等)
 「新しい仏教音楽は。合理的な音楽理論の上に立って、万人がひとしく認めうる理論的骨格をつくりださねばならぬ。これを声明梵唄の現代化、或いは合理化と名づけてもよい。しかもそれは叙上の理由から、洋楽形式を中核とするより外に途はない」

3,新しい仏教音楽の種類 一般信者用と寺院の儀式用
 「私は讃仏歌や儀式用音楽とは別に、仏教的内容の〓術歌曲や管弦楽作品をつくることを主唱したい」

4,仏教音楽研究機関及び仏教音楽専門家の養成
 「仏教音楽研究所とでもいうべき機関を各教団或は仏教会が連合して設置する。」

5、演奏団の問題

「私はこれが実現のために、各教団が真剣に、そして英断を以て努力せねばならぬと信ずる。むろん、単なる時流におもねたり、改革のための改革に堕したりすることは極力避けねばならぬ。「仏教音楽」は今や全仏教界をあげて当面している重大な問題である」

※戦後、このような仏教音楽活動への機運が盛んになっていた様子がわかる。