BON's diary

「何考えてんだ、お前はっ!」 「い、いろんなこと」

 「出家」のこと

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 かつてこのことを考えるきっかけになった一文。
 出典は明治12年刊行『求化微糧談』巻八上(吉岡信行撰)。「仏遺教経」の注釈の一部で展開された説示。

 ここに著者が示しているのは4種類の出家。いわく、
1「出家の出家」 説明は省略されているが、出家中の出家、つまり正真正銘の出家という意味か。
2「在家の出家」 その生活は世俗にありながら規則正しさを保ち、精神は塵俗に染まらず三宝に帰依している仏教信仰者。
3「名字の出家」 とりあえず出家者として寺に住まいしているが、戒律規則は守っておらず、悟りも解脱もできていないぼんくら僧侶。
4「仮名の出家」 僧服をまとってはいるが、戒律と犯す者、破る者、戒律などまったく関係なくふるまう者。

 吉岡は曹洞宗の僧侶。ときあたかもそれまで独身が必須条件であった僧侶(浄土真宗僧侶をのぞく)に対し明治5年に「肉食妻帯勝手たるべし」との布達公布のあった数年後。僧侶の出家性をめぐって社会の関心は高かった時代。

 自分は「3」だと反省し、自誡のためにアップ。