BON's diary

「何考えてんだ、お前はっ!」 「い、いろんなこと」

梅花の師

この位牌(写真は裏表両面)は、先日おじゃました京都西方寺様所蔵のもの。西方寺様先代の故小川義道老師が護持していたもので、裏面にその旨が記されている。
表面にある名前は、初期梅花流の大先達・大賀亮谿正伝師範。今回の静岡行でもしばしばその名を耳にした草分け的存在。

西方寺様の話によると、特派師範であり、初代詠道課長就任後、宗議となり宗政内局に参画した義道師にとって、大賀師範は終生の梅花の師であり、法幢師や嗣法の師といった法系上の関係ではないが、常に尊敬の念を抱いていた人だったという。
このお話に深く銘ずるところあった。
今日、広く梅花学習の機会を求めて各地の研修会に参加し、また複数の師範に参じている人は多く、わたしもまたその一人。しかし「梅花の講師」という立場を越えて、ひとりの「師」としてその人に随時するという家風はどれほどあるのだろうか、ということに思い至る。
ともすれば詠唱や教授法の技術の習得にかたより、「その人に参随したいという思い」は後回しになってはいなかったか。
大賀師範亡き後も、義道師はこの位牌を生前の師につかえるように仰ぎ、護持されていた姿を想像し、自分に足りなかったものを深く反省した。

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