BON's diary

「何考えてんだ、お前はっ!」 「い、いろんなこと」

【真読】 №9「荒神を竈の神となす」 巻一〈祈祷部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号16

20131128165844_223.jpg (500×347)

 問う、「世俗、荒神を竈の神として竈において常に祀る。今の縁起にはこの事無し、いかん」。
 答う、「古来の口説に、“荒神は最も不浄を忌む、然るに火はその体清浄にして、しかも不浄を除(はら)うものなれば、家に在って竈を浄處とす、故に荒神、人の家に至っては竈を棲居(すみか)としたまう。これによって俗に荒神を竈の神とす”。
 また竈神の霊験、異朝の俗典に事実多く出たり。しかるとも今の荒神と俗典の竈神との同異においては明拠なし。しかりといえども各々同体分身とせば、各々通ずべし。漢土にはぜ顓頊氏子名黎すなわち祝融なり。これ竈神とす(『風俗通』)。神道家には興津彦神と興津姫神、この二神を竈神とす(『旧事本紀』)」