BON's diary

「何考えてんだ、お前はっ!」 「い、いろんなこと」

【真読】 №36「貧女の一燈」 巻二〈供養部〉(『和漢真俗仏事編』web読書会)

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テキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号24

 ちなみに問う、「ことわざにいわく、“貧女の一燈”は、本説いづれに出たる」。
 答う、『阿闍世王経』にいわく、「時に老母あり。王の仏を供養するを見て、自ら念ずらく、“我れ今世、かくのごとく貧苦なり。後世いかんせん”と、生じて仏に値うとも、供養することあたわざることを歎き、路行く人に乞うて、一日に二銭をもって油を沽(か)う。油を売る者怪しみてそのゆえを問う。老母いわく、“仏を供養せん”と。油を売る者、これを愍(あわれ)みてその価(あたい)より益(まし)て油を与う。老母、これを持ちて仏の所に至りて、然(とも)し供(ぐう)するに、油尽きたれども滅(きえ)ず。増(ますます)明らけし。ここにおいて仏、授記したまう」。