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BON's diary

「何考えてんだ、お前はっ!」 「い、いろんなこと」

箴言

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  私は梅花の全国大会、あるいは地方大会等に行くんですが。それでよく思うんですが、節が良ければいいってもんじゃない。声が良くって節が良ければいいってもんじゃない。やはり仏法を伝えなきゃならんと云うものですから。人を選んでもらわなかったらダメなんですよね。
 ところが梅花がこんなに衰退しているじゃないですか今。どんどん、どんどん堕ちてゆく。私は当たり前だって云うんですよね。声が良くて節の良い人は、「奢り」が聞こえる。声に。恐ろしいですよね。まあ、比較しちゃいけないですけれども、私は師家会の方にですね、師家会の方に力が入るですから。まあ較べちゃいけないですけれども、ここ(正法寺)はよく梅花の本庁講習を受けますから。また梅花大会もよく行きますが。どこかにノド自慢的なものがある。奢りが感じられる。節の良いこと、声の良いこと、そうすると奢りますから。
 ですからそこを毎回梅花関係で頼まれると言うんですが。一曲を、梅花の一曲を人生にたとえてみてください。私の人生という一曲。上手くいって奢ったらそこが汚点になる。上手くいかないといって落ち込んだらそれも汚点になる。
 やはり少なくとも、少なくとも曹洞宗に梅花流があるということ自体が、相当に無理があると思います。坐禅というものを中心にする曹洞宗に、梅花流があるということは、相当に気をつけないといけないと私は思います。そこが間違った方向にどんどんどんどん流れて行っている。それが梅花をここまで堕としてしまったのだと思えてならんのです。
 けっこう心得た人がいる。心得た人が梅花を止めてゆく。これじゃいけないと気づくからでしょうね。だから最初の頃はね、やっぱり宗務庁も人材選んでいましたよ。最初の頃のことを私は知っていますからね。尼僧の場合も少なくとも皆私の教え子ですからね、わかっています。ところがこれじゃダメだと思う人達がどんどん梅花に出て行く。そんな人達が多くなってきている。今はいいですよ、まあまあですよ。でもどっかに奢りがありますねえ。だからその軽くて奢ってたんじゃしょうがないでしょうね。
 ですからその、やかましく言う、人生という御詠歌の一曲を考えてくださいと。自分の人生に対して、どうだ上手いだろう、と。こういう言葉は奢りがある。不信心。遊びが入る。これは仏法じゃない。汚点が入る。それから試験があって競り合いがある。これは仏法じゃない。競り合いがあるというのは、人間ですから、勝てば奢るし、つまらん姿が出てきます。世間的になってくる。世間でも本当に歌う人は、深い味わいをもって歌います。聴いていればわかります。そこをね、本庁の方は、真剣に人を選ばないと伸びないですよ、梅花流は。ところがなんとなく節に重点が行く。声と節に。それじゃいけないと私はずっと言ってきてるんですよ。
 ここの尼僧堂で私が学んだ頃は、T先生という人がおった。声明の方はM先生という人がおった。この人は非常に声もいい、節もいい。でも奢りがある。その奢りが感じられて私は嫌だった。だから節と声の方は学びましたけども、人間的にはついていこうと思わなかった。声は良かったが奢りがあった。それに較べてT先生は声は良くなかったけども、誠心誠意唱えていて、聴いていると頭が下がるんですよ。これは本物ですよね。ですから声も節も良くなくとも、とにかくいっしょけんめい唱えているお姿が、出るんですね声にも、ですから頭が下がるんです。ですから好きでしたね、T先生は。ところがM先生には非常に奢りが感じられる、人間的に。この人にはついていこうと思わない。そこが梅花に関わるものがあるように思われる。
 その後に、私がここに座るようになってからはMH老師の時代。声明を教えていただいた。そのMH老師もなかなかの人でしたね。老師も仰いました。声明も、声の良いものには声に遊びが入る。これは気をつけろ、と。一句一句を仏さまとして唱えろ、と。その言葉が心に残っておりましてね。
 この辺がやっぱり梅花も同じなんで、その辺を本庁の方も真剣に感じないと、梅花流は伸びない。やっぱり先生次第ですから。この人についていこう、というのがあると思う。梅花を通していったい何を紹介したいか。仏法じゃないか。仏法は生きざまが示すんですから。師範の生きざまはどうだ、と言われたらお終いですわな。そういうところをしっかり抑えないと、曹洞宗の梅花流は一気に伸びましたけれども、いっきにまた失速しますね。しょうがないなって思えてならんのです。

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       2016年2月2日 於愛知県名古屋市正法寺尼僧堂

               文責・佐藤俊晃