BON's diary

「何考えてんだ、お前はっ!」 「い、いろんなこと」

【真読】№87「葬法」 巻四〈送終部〉(『和漢真俗仏事編』web読書会)

f:id:ryusen301:20160625081629p:plain

テキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号40

 天竺に四種の葬法あり。
 一には、水葬。謂く、江河に投げて魚鱉(ぎょべつ)を飼(か)う。
 二には、火葬。謂く、薪を積てこれを焚く。これを荼毗(だび)とも、闍維(じゃい)とも云う。
 三には、土葬。謂く、岸の辺(ほとり)に埋て速やかに朽つるを取る。
 四には、林葬。謂く、寒林(墓所なり)に捨て置きて諸の禽獣を飼う(『行事抄』並に『要覧』)。
 ○私に曰く、吾が宗の意(こころ)は四種の葬、各々六大法界に帰するを以て曽(かつ)て択ぶところなし。しかれども古来、漢土・吾朝、火土二葬のみ用う。天竺も多くは火葬と見へたり。菩提流支(ぼだいるし)の伝(宋高僧伝)に曰く、「西域の喪礼、それ太簡なるか。あるいは国王・酋長、心を傾け重きを致す者有れども、これをか舁(か)いて火葬を過ることなし」と云へり。吾が朝、人皇三十七代孝徳天皇、勅を下して貴賤の葬法を定められたり。庶人は殯(もがり)することを得ず、葬地を一所にせよ、処々に埋めて穢すことなかれ、と。