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BON's diary

「何考えてんだ、お前はっ!」 「い、いろんなこと」

よこみち【真読】№98「骨まで愛して」

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 聞いた話である。秋田出身の人間がO府にて亡くなった。同地のとある火葬場に会葬した秋田の親戚が驚いたという。骨上げまでのだんどりはおおむね一緒だが、お骨を入れる容器がかなり小さい。秋田の一般的なサイズのほぼ三分の一という。大きめのリンゴがちょうど入る箱のよう。火力が強いのか窯から出てきたお骨は秋田で見慣れたものよりも細かく砕けていた。骨揚げが始まる。喪主を筆頭に近親のもの達が骨を拾い上げ小さな箱に入れてゆくとほどなく、「はい、ありがとうございました」と火葬場の職員がその箱を取り上げさっさと蓋を閉め、まだかなり残っている台座のお骨を専用の(らしい)ホーキでザザッと不要品箱と見紛うような大きな箱に掃き入れて骨上げの儀が終わった。大箱に入れたものは火葬場裏で処分されるのだとか。

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 ややうろ憶えだが見て聞いた話である。M県のとある地域にあった両墓制墓所。埋め墓と詣り墓の二箇所がある。遺骨は埋め墓に葬る、四十九日まではそこへお詣りする。だがそれを過ぎると一周忌以降は別の場所にある詣り墓へ行く。遺骨は埋め墓に埋められたまま。詣り墓には各家の石塔墓がある。だがその中に遺骨はない。埋め墓は一定の区画があって、たとえば二十区画があるとする。一人目がなくなると一番目の区画。二人目はその隣の二番目。次いで三人目以降、隣となりと順繰りに埋めてゆくのだが、亡くなる人は後を継いで増えてゆくからいつか二十人を超す。するとどうするか。また一地番目の区画に埋めてゆくのだという。そこって以前に一番目の人を埋めたところじゃないの、と聞くと、その頃にはほぼ前の遺骨は土に帰っているし、魂は詣り墓の方に移っているから大丈夫なのだという。

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 以前アップした話である。愛しい人が亡くなった。墓所に葬って離ればなれになってしまうのは二人の間を引き裂かれるようでつらく悲しい。できることならこれから先もずっと一緒にいたい。それなら肌身離れずくらせるようちょいと手を加えましょう。というわけで火葬後の遺骨を加工してイヤリングやブローチ、ペンダントに仕立てる商売がある。メモリアル・ジュエリーまたソウル・ジュエリーというのだそうな。

ryusen301.hatenablog.com

 ネットにあった話である。
 たった一人の家族と言える大切な人を失くしてしまいました。もう、私が病気になろうが誰も心配などしてくれない、私が死のうが誰も涙を流してくれない、さみしいです。せめて、御遺骨の一部が頂きたい、遺産は放棄する、と弁護士に頼んでも「力になれません。旦那様に残してもらったお金で残りの人生を大切に生きて下さい。」と言われるばかりです。どうにか、わずかでも御遺骨を頂く方法はないものでしょうか?お金では幸せになんてなれません。旦那様が私と同じお墓に入りたいと本当に言っていたんです。どうしたらそれをわかってもらえるのでしょうか?文書で残っていないと絶対だめなのですか?
悲しくて、寂しくて、胸がつぶれそうです。また一人ぼっちになってしまいました。

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 見た話である。父の骨上げの時だった。窯から台座が出てきた時、父の親しい友人が私のそばにいた。近親者が集まりいざ骨上げを始めようとしたその時、その人が素手で父の遺骨の小片をつまみ上げポイと自分の口の中に放り込んだ。むしゃ、と食べて曰く「酸っけな。これかなり薬漬かっていだな」。抗議する間も、いや抗議すべきかどうかわからぬちょいの間の出来事。中学生の自分は〈呆気にとられる〉という気持ちをたぶん初めて経験した。

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