十日がかりの味わい
12月3日。
豚バラかたまり肉、約1㎏を5枚購入。
2%の塩とブラックペッパー適量をなすりつけ、ローリエを貼り付けてジップロック。
空気を閉め出して密閉し、冷蔵庫に入れる。一~二日に一度、上下を返し、塩分を馴染ませる。
七日目の9日。大鍋に水を張りかたまり肉を入れ細い流水で塩気を抜く。
午前7時半より。途中三時間ほど経って、端の部分を薄く削ぎ、炒めて口にしてみるがまだ塩分が強い。引き続き流水に浸し、午後1時45分。同様に炒めてみると、今度はいい具合。かたまりの中心部分ならばなお薄かろうと水から引き上げる。都合六時間以上の塩抜きだった。
引き上げた肉の水分をタオルペーパーで拭き、フックをさして写真のように深さのある段ボール箱へ並べてつり下げる。箱の底には新聞紙。肉がふれあわぬようにして室内温度の最も低い(ほぼ外気温並み)つなぎの廊下に置く。これで翌日の朝まで放置。
10日、八日目。午前9時30分、燻煙開始。
燻し小屋の中にフックでかたまり肉をつり下げる。
一緒にセットしたものはサンマの塩麹漬け、塩鯖、ツボ抜きイカ、ダイコン。
炭を熾し、リンゴとサクラの木で燻す。
燃焼材は乾燥しすぎず、ある程度生のものがよいとか。
イカが一番早くできそうだな。
約三時間半後、肉の全体に飴色がにじんでいる。
まずは第一陣。約七時間かけて温燻熟成しました。鯖の身がやわらかいままで燻香をたっぷりすっています。激ウマ。でもってこのお酒。堀の井レーベルの最高峰。すきっとキレがよくて相性抜群です。今宵は幸せな夜。でも明日には本命のBACONが上がる。うう、うれし~♪
一晩火を休めた翌朝、出来上がりまでもう一息。
燻煙再開。
ここでトラブル。
あさ再燃させたつもりの薪が燃えきれずに沈下していた。気づいたのは昼前。慌てず再着火。ひっぱるねえ。
もうひといき。これでもまだ中は極レア状態。
12月12日17時。やっと中に火が通りできあがり。先週3日仕込みの今日の上がりだから都合十日間。摂心とか成道会とか今日はお葬式とか、いろいろ物いりの時期にこんなナマグサやってたんだなあ。
完熟ベーコン山盛り。
完熟燻製ベーコンと下仁田ネギ、そしてCHIMAY
今夜はあと何も要らない。
明日のために、
その1 今回は温燻というよりもほぼ冷燻に近い温度だったのだろう。一坪弱の小屋でも熱が行き渡るためにはかなりの燃焼が必要。薪は充分に用意して、こまめに火の管理をチェックした方がよい。
その2 仕込み=塩漬け&塩抜きは初回にしてはよかったのだと思う。今回はあしかけ1週間のつけ置き。肉の重さ2%の塩とブラックペッパー&ローリエ。約6時間以上の流水塩抜き。3時間を過ぎた頃からすこしづつ削いで焼き、味をたしかめた。スパイスの香りはけっこう強めでも大丈夫そう。肝心なのは塩抜きだ。