BON's diary

「何考えてんだ、お前はっ!」 「い、いろんなこと」

【真読】 №133「父母を寺に養う」 巻六〈雑記部之余〉(『和漢真俗仏事編』web読書会)

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テキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号57

 僧に貧銭の父母あって寺に養はるるあり。三宝物を費やすゆえに、たとい親なりとも罪を結せんかと疑う者あり。
 僧はなお孝養を知るべし。なんぞ疑はん。今『行持鈔』の説を出す、これを読みてその趣を知るべし。
 ○『善見律』に曰く、「父母、貧銭ならば、寺内に在りて供養せよ」。
 ○また『僧祇律』に引いて云く、「もし父母、貧銭ならば、まさに寺中に至るべし。もし信有る者は、自ら恣に与えて、乏しきこと無きことを得せしむべし」。
 ○『五百問』に曰く、「父母、盲(めし)いしもしくは病んで、人の供給すること無くば、乞食して半を与えることを得すべし。自らよく紡績し衣食を与えば、罪を犯す」。(已上の二部の説は、父母、我が財了るに、寺に養わるるは、三宝物を貪るの罪ありと)
 ○『五分律』に云く、「畢陵伽、父母貧窮にして衣食を以て供養す。仏の言たまわく、“もし人、百年の中、右の肩に父を担い、左の肩に母を担い、上に於いて大小便利せしめ、世の珍奇の衣服を極めて供養するも、なお須臾の恩を、報ずることあたわず。今よりゆるす、比丘、心を尽くして父母を供養することを。しからざれば重罪を得る”」。