彼岸を迎える
戸数十件に満たない集落。少子高齢化の典型のようなそこでこの5年ほどの間に新築の家が三軒。三軒目の家の仏壇の魂入れ(開眼)をさきほど終えてきた。
「子供たちもみんなよそに所帯持ったんで私たち夫婦二人、前の家も古くなったし建てるなら今だと思ったんですよ。うちの子供たちここへ帰ってくるの好きだって言うんですよ。この集落好きだって。だから帰ってくるところなくせないと思って。私たちもべつによそへ行きたいわけでもないし前の家よりは半分になったけどこの小さい家でもいいかなって。冬の間の工事はやっぱり大変でしたね。でも雪消えると田も畑も忙しくなるし今に間に合ってよかったです。和尚さんも忙しいところどうもありがとうございました」
明日から春彼岸。