BON's diary

「何考えてんだ、お前はっ!」 「い、いろんなこと」

【世説】№4「目出(めでたし)」

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 これに二説あり。『古今集』の歌に「残りなく 散るぞメデタキ桜花 ありて世の中 はてのうければ」新歌には、『寄子歌述懐』に「思ふこと なげぶし聲にうたうなり メデタヤ松の 下にむれいて」[西三條逍遥院内符實隆]。メデタシと読める古歌も希なりとかや。故に、メデタシの字義分明ならず。『古今の鈔』にも著(いちじるし)からず。ただ心地よしと云う言葉なるべし。『撰集抄』にも目出度(めでたき)手にて一首の歌をぞ書きたりけると云えり。
○『旧事本紀』の説に依れば、「天照太神、窟戸の間より御目(おんめ)を出して見たまう時、諸神甚だ悦(よろこ)べり。今、幸いなることを目出度と云うはこの縁なり」と。
○『大成旧事本紀』[十八葉神祇本記]曰く「天照太神、神楽の高天原を動(とどろか)すを聞こしめして、且つ感(うごき)まして、窟戸を細めに開けてその消息(ありさま)を見そなわす云々。窟戸の間(ひま)より御目を出して覧(みそなわす)。庶(もろもろ)の神、これを見そなわして悉くに悦び、甚(すさまじく)喜ぶ」。[幸吉の事をもって人、目出(めでたし)と云う、またこの縁なり。已上]