BON's diary

「何考えてんだ、お前はっ!」 「い、いろんなこと」

【世読】No.7「挨拶」巻一〈倭文用語類〉(web読書会『世説故事苑』)

 これ禅家の語なり。禅家に一機一言にて来者の胸中を試むるを挨拶と云う。俗に客に対談するを挨拶と云はこれに依ってなり。
○『碧巌集』三に曰く。「玉は火を将(も)って試み、金は石を将って試み、釼は毛を将って試み、杖は水を将って試み、衲僧門下に至っては一言、一句、一機、一境、一出、一入、一挨、一拶、向背を見んことを要す」[文]
『篇海類編』八に云く。「挨は鴉蟹の切、音は矮、推なり。また撃(たげき)なり。また拶は姉末の切、声は雑に同。逼拶なり。譌(あやま)って拶に作る」[文]然れば、挨拶とは推(すい)撃(きゃく)逼切(ひっせつ)して彼が胸襟(きょうきん)を勘破する意なり