BON's diary

「何考えてんだ、お前はっ!」 「い、いろんなこと」

夢 -蟹-

 ふだん夢はあまり見ない。

 あるいは見た夢を憶えていない、と言う方が正確だろうか。

 だから今朝の夢を憶えているのは珍しいことで、しかもそれをこうして記そうとしているのも珍しい。

 裏庭に池があり、庭に面して座敷と縁側がある。

 縁側の床が3尺くらいの幅ではずれていて、ぽっかり四角い穴になっている。

 入学前くらいの娘(長女か次女かわからない)が、その穴を指さして、「お父さん、お魚捕って」という。

 見ると穴の中は生け簀になっていて、緋鯉が泳いでいる。それを絵のついた網を使ってすくい上げると、娘が喜ぶ。緋鯉はほかにも2~3匹泳いでいる。そんなに大きな生け簀じゃないのにどうしてこんなに大きな緋鯉が何匹もいるのだろうと思う。

 座敷の中を見ると、イス用のクッションくらいの大きさをした赤い四角いものがある。よく知っている赤い色。蟹の甲羅だ。最初に見つけたのは脱皮した抜け殻のようで、なぜか四角いシートのように一枚になっている。しかし蟹はゆでないとこんな赤い色にならないのに、と思う。

 もう一匹、こんどは足のついた脱皮していない蟹。畳の上にじっとしている。どうしてこんなところに、と思う。近づいて持ち上げようとすると、もぞもぞと足を動かす。ハサミに挟まれないように注意して持ち上げるとそれなりに思い。すると座敷の中にはまだ他の蟹もいるのを見つける。赤い蟹ばかりでなく、ゆでる前の褐色のものもいる。動いているもの、動きを止めているもの、数匹が座敷に上がり込んでいる。

 昔、池の中で川ガニを見つけた。初め石が動いているのかと思ったら、ハサミにびっしりと毛がついていて、川ガニとわかった。あとで、近所の人が川から捕ってきてきたものが逃げてここまで来たらしいとわかった。そんなことを思い出していたが、座敷の蟹は明らかに海の蟹。しかもゆであがった赤い色はどうしてだろう。

 夢の中でそう思っていた。

 

 昨日、東京にいる次女が久しぶりで帰宅。長女とも一緒に皆で夕食だった。

  献立には蟹はなかった。

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