BON's diary

「何考えてんだ、お前はっ!」 「い、いろんなこと」

2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

【真読】 №20「伽藍に賓頭廬を置く」 巻一〈祈祷部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号19 問う、「伽藍に賓頭廬の像を置くはいかん」。 答う、「唐土の精舎、みなこの像を安ず。晋の道安法師より起これり(『釈氏要覧』にも出たり)。 『高僧伝』に云わく“安(道安法師)、…

〈 ねはんだんご 〉考 -聖餐あるいは鏡餅-

聖体拝領のシーンと言えば秀逸なのは、ゴッドファーザーⅢ。 って、そのことは今回の話題となんも関係ない。ただアル・パシーノファンだってことで (^_^;) たくさんのおかげさまでかたちになった当寺の涅槃だんご。なかなかなできばえにけっこううれしいのだ…

よこみち【真読】 №19「えびすのタブー」

もう10年前のことだけど、お寺の子ども向けにある月刊誌に連載をしていたことがある。テーマはお寺の中に祀られるいろんな神さまの紹介だった。たまたま七福神の中から毘沙門天、布袋、弁天などを書いていたこともあり、、次はヱビスさんを取り上げたいと編…

よこみち【真読】 №18「愛しき大黒さま」の続き

よこみちに「続き」が付いたの初めてですね。それだけこのテーマが突っ込みどころ満載ということなのかな。 さてfbにて佐藤善廣さんが寄せてくれて、さらにMeikoさんが発展させてくれた「梵嫂」の情報。とても興味深いものだった。そのままfbでコメントのや…

【真読】 №19「商人、慧比須を祭る」 巻一〈祈祷部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号19 推古天皇九年三月、聖徳太子始めて市を設けて売買を教えたまう。この時蛭児(ひるこ)神を誓て、商売鎮護の神としたまう。今の世、ことに商家にこれを祭るはこれより始まる(本朝通紀…

よこみち【真読】 №18「愛しき大黒さま」

このたびの本編「大黒天」の考証はなかなかだなあと思った。 画像にも掲げておいたけど 1 『南海寄帰伝』に記す、片足をおろした座像で金の袋を持ったもの 2 日本の儒者が言った、俵に乗って大袋を背負い頭巾を被ったもの 3 『大日経疏』等仏典の、マハー…

【真読】 №18「大黒天、寺の食厨(くり)を守る」 巻一〈祈祷部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号18 (『南海寄帰伝』所説の像容に近いもの) 福天の多き中に大黒天、寺院の食厨を守りたまうことは、義浄三蔵の『南海寄帰伝』にいわく、「天竺諸大寺には、みな食厨の柱の側、あるいは…

よこみち【真読】 №17 「だからお寺にも神さまはいるってば」

とある酒席の談話のこと。相手は70代半ばのもと中学校の校長先生。 「いやあ、こないだおらほの寺さいったばたまげでしまった。なんと本堂の廊下さ神さま置いであったしものな」 注:ネイティブ言語では意味が通じにくいと思われるので適宜翻訳いたします。 …

久我尚寛師関係資料の意義 その2

1【 梅花流「お誓い」以前 】 「お誓い」の成立については、昭和27年の佐々木内局による「正法日本建設運動」がその背景となっていることを数回に分けて述べた。 http://ryusen301.hatenablog.com/entry/2015/02/12/134439 その考えに今のところ変更はない…

久我尚寛師関係資料の意義 その1

愛知県豊橋市・龍拈寺。 ここに初期梅花流の一翼を担った久我尚寛師範が住していた。 2015年4月13日、ここを訪ね翌14日までの両日、梅花流初期を探る資料調査を行なった。総研梅プロ事業の一環、同所属のM氏も同行。 久我師のことは梅花流初期の詠讃曲の作…

【真読】 №17「寺院に鎮守を守す」 巻一〈祈祷部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号18 ※「守す」→「安す」カ 問う、「寺院に多くは社あり。これ本朝は神国なるゆえか。また異域もかくのごとくなるか」。 答う、「もとより精舎の䂓式なり。『要覧』にいう“『四分律』にい…

よこみち【真読】 №16 「呪術と公行政」

まじない&行政法令。おかしな取り合わせだ。 長&短のように両極の関係でもない。 男&女のように対偶の関係でもない。 トム&ジェリーのように愛憎半ばする関係でもない。 まったく関係のないジャンルに属する二つがなぜか分かちがたく結びついている。そ…

【真読】 №16「急々如律令」 巻一〈祈祷部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号17 これ火災を伏し病を癒しむる呪術語なり。謹言即呪語となる。『演密抄』に云うがごとし。ある俗説にいわく、「速疾呪術の功あるに喩うるなり」。 愚按ずるに、「(口+急)(口+急)…

よこみち【真読】 №15 「ビナンとジョナン」

№15は№14と同じく天台宗の名僧・良源に関わるもの。いずれも良源の姿を描いたと伝えられる2枚の画像に関わるもの。 「豆大師」とは、先に№14の「よこみち」で触れたように、自分の身を細分化して示現したという話しにもとづくもの。『元亨釈書便蒙』の註で「…

【真読】 №15「豆大師像」 巻一〈祈祷部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号17 世人、伝えて云う、「慈慧僧正、貌容甚だ美なり。ゆえに、女人あり恋慕の心を生じて染汗せんとす。ゆえに形を化して十八となる。いずれが実の大師なることを知らずして、染することあ…

その6 イマジン

『こどものくに通信』2008年9月号 「彼岸」というのは向こうの世界、そこはおだやかで澄みきった心を持つ仏さまたちの住む世界。だから、裏切りや争いなんてそこにはない。これに対してこちら側、私たちの住む世界を「此岸」という。ここではまだまだいさか…

よこみち【真読】 №14 「やるなあ、角大師!」

本編のややオカタイ説明文からなにかしらのモチーフを抜き出してくにゃりとやわらかく展開することを信条としているこの「よこみち」。それゆえ本編が生真面目であればあるほど「遊び」の振れ幅が大きくなるのでやりがいを感じてしまうのだが、今回の「角大…

その5 根っこと果実

『こどものくに通信』2008年8月号 ぼくのお寺のある地域は、八月にお盆行事がある。毎年、八月十日を過ぎる頃になると、都会から帰省してきた人たちで、人口がぐんとふくれあがる。いつもはお年寄りの多いしずかな村だけど、この時ばかりは若夫婦や子供たち…

【真読】 №14「角大師像」 巻一〈祈祷部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号17 慈慧大僧正(元三大師)の像なり。日天の化身にして、もとより道貌(かたち)雄毅なりしが、自から鏡を把って我が形を写し照らしていわく、「吾がこの像を画いて門戸に貼るべし。必ず…

よこみち【真読】№13 「門番たるもの」(注:カド番ぢゃないよ)

セコムの防災・防犯システムに加入すると、出入り口にセコムのシールが貼られる。これって実際のオンラインシステム以上に防犯の効能が高いんじゃないか、とセコムに加入した寺の住職が思っているという、なんだか信憑性のありそな話。 というのはただの枕で…

【真読】 №13「疫神を追う 附、疫一村に渉ること」 巻一〈祈祷部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号17 今の俗、疫厲(えきれい 癘カ)の盛んなるときは、藁をもって鬼形を造って送り祓う。これ戯るに似たれども、古(いにし)えにすでにこれあり。人皇四十二代文武帝、慶雲三年(706)、…

その4 へん平足とお釈迦さま

『こどものくに通信』2008年7月号 ぼくが小学6年の時、初めて学校にプールができた。それまでは水泳の授業といえば、近くの川に行くのがおきまり。それが真新しいプールである。魚もいないし、水の流れもないけど、なんたって新しいプールなのである。ぼく…

その3 お酒の功徳

『こどものくに通信』2008年6月号 (新潟駅ビル直結・ぽん酒館) ある日、知人を介してスリランカのお坊さんがぼくのお寺にやってきた。お国では数十人の僧が修行する僧院のマスターだとか。日本で言えば、修行僧堂の堂長老師である。観光で日本へやってきた…

その2 ののさま

『こどものくに通信』2008年5月号 もし『ことばのレッドデータブック』みたいなものがあるとしたら、ぜひ載せてほしいのがお坊さんを呼ぶ時の「ののさま」ということば。それならまだ使ってるよ、というところも少なくないようだけど、ぼくの住むところでは…

よこみち【真読】№12 「いかがわしき人気者」

「夜叉」といえば背中に墨背負った高倉健。 そして色っぽさの両極にいる田中裕子といしだあゆみである。田中裕子のふてくされた顔から一転くしゃっと甘えてくるところ。いしだあゆみのうるうると揺れる大きなまなこ。どちらも大好物。 この連想に共感してく…

その1 語録のススメ

ちょっと打ち明け話のようなことになるが・・と書き出そうとして、あ、blogってもともとそんなもんかと思い直した。 で、打ち明け話である。 それまで日記など書くこともなかった。読者を想定しての文章というのは、ほぼ学術雑誌へ掲載するための研究論文で…

深いね、「やしょうま」!

長野県伊那市。3月も終わりに近いその日、梅花古参の庵主さんのお話を聞いた夜、同行M君の縁故というお寺で夕食を馳走になる。焼き肉の終わった鉄板に、「お、あれがあったな」と堂頭さんが出してきたのが〈やしょうま〉。かねて話しに聞き、つい最近もSNS…