BON's diary

「何考えてんだ、お前はっ!」 「い、いろんなこと」

2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

よこみち【真読】 №4 「肌身離さず」の思想

「手元供養」という言葉をご存じだろうか。都市部の方々であればすでによく知っている方も多いと思うが、私の住む秋田などでは聞いたこともないという方がほとんだだろう。 ある業者のHPからその説明をたずねてみよう。 手元供養とは? 故人のご遺灰や形見…

【真読】 №4「守り囊」 巻一〈祈祷部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号14 守り囊(ぶくろ)を金襴の袋に納(い)れて身に帯ぶる本拠ありや。 答う、「『阿吒婆拘鬼神大将陀羅尼経』にいわく“世尊、この神呪、賢徳有智の善人に付すべし。もし誦することあたわ…

正法日本建設運動 - 戦後曹洞宗教団の布教教化方針について(5・終)

このように昭和二十八年も、正法日本建設運動は、曹洞宗教団の宗是のように展開しているのでした。同年三月号の『宗報』(第二一五号)では佐々木宗務総長が「正法日本建設運動の強化に就て」と題して、その運動方針を再び強調し、加えて同年八月号では、高…

よこみち【真読】 №3 鬼と「うしとら」

鬼門ということで、軽めの話題をひとつ。 人気コミック『うしおととら』、略して「うしとら」。この作者、ちゃんといろんなこと踏まえてストーリーとキャラクターを設定しているんですね。 うしとらとは「丑&寅」=「艮」。 つまり東北に住まうもの、あるい…

【真読】 №3「鬼門」 巻一〈祈祷部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号13 委しくは『谷響集』中のごとし。『山海経』と『続博物志』と『神異経』とを本拠とす(ある説にいわく「北は陰の極まる處(ところ)なり。東は陽の始なり。陰のきわまる處には鬼類集ま…

正法日本建設運動 - 戦後曹洞宗教団の布教教化方針について(4)

曹洞宗行政の首長たる佐々木宗務総長の方針は、当時、曹洞宗教団を支えるそれぞれの分野のトップにも支持されたようです。たとえば次の例は昭和二十七年九月に発せられた曹洞宗管長のものです。 教諭 茲に吾が曹洞宗に於いて正法日本建設教化運動を展開する…

二年目の「葛黒火まつりかまくら」

昨年の再開が15年ぶり。数々の心配もどうにかやりくりし無事の復活が成った。 思いもよらぬ晴天に恵まれた昨年。今年はどうかと心配する声をよそに、まつり当日の朝は雲の切れ間に青空がのぞいていた。幸先はよい。 葛黒集落、現在は二十数戸。 竜ヶ森を水源…

よこみち【真読】 №2 R18指定 「庚申」と五右衛門

庚申信仰の件、民俗史料の詮索好きな方には興味尽きない所だろうが、 かたやもう少し別の方向に詮索好きな方々にも興趣あふれる話題だろう。 天帝の特命により我々の身体に潜むにっくき三匹のスパイ「三尸蟲」。 こいつらの体外脱出を阻もうと始まった庚申の…

【真読】(『和漢真俗仏事編』読書会) №2 巻一〈祈祷部〉 「庚申 附 三猿」

くわしくは『谷響集』中のごとし。三猿はこれ三尸蟲を形どるか。これ道教の法なり。『本草綱目』の中にもこれを載せる。 問う、「庚申の本地、青面金剛として古くより仏家これを祭る。本拠何ぞや」 答う、「経軌に明らかな説なし。古徳の口説(くせつ)に云…

正法日本建設運動 - 戦後曹洞宗教団の布教教化方針について(3)

※(2)につづく。 けれども佐々木内局において、宗門の教化方針の中で詠歌和讃の活動を推進しようとしていたことは確かめることが出来ます。それは次の『曹洞宗報』昭和二十七年五月号の「第六十九次曹洞宗通常宗会議事速記録」中の総長演説に見えます。 宗…

正法日本建設運動 - 戦後曹洞宗教団の布教教化方針について(2)

(1)に続く 『曹洞宗報』昭和二十七年五月号に掲載の「告諭」と、宗務総長・佐々木泰翁による「平和条約の発効」という文章を次に挙げます。 告諭 国民待望の平和条約は其の効力を生じ、茲に吾が日本がその主権を回復して独立するに至りしは、衲の頗る欣快…

大賀亮谿師範 その4 「梅花日録」

梅花流の草創期を、時間を追って知ろうとすると、今のところ『梅花流指導必携・解説編』の資料編「梅花年表」が唯一のものかも知れない。その製作にあたっては大島賢龍師範も資料提供したと云うことで、貴重な情報ではあるが、今少し詳しい事情を知りたいと…

正法日本建設運動 - 戦後曹洞宗教団の布教教化方針について(1)

このところ曹洞宗梅花流について、特にその草創期周辺に関する文章をいく度か挙げている。 この作業まだしばらく続くのだけれども、その時代を考える時、ぜひとも理解しておかなければならないことがある。それが昭和27年に開始される曹洞宗における「正法日…

よこみち 【真読】 №1 「念珠を摺って祈る」について

「念珠を摺って祈る」で、ちょいと連想するのは「拝む」というしぐさ。 念珠を手にかけているいないに関わらず、そしてお坊さんであるかどうかに関わらず、この「拝む」というしぐさはしますよね。 ほれこのとおりコツメカワウソもにゃんこたちもなかなか上…

【真読】(『和漢真俗仏事編』読書会) №1 「念珠を摺って祈る」巻一〈祈祷部〉コマ番号9

「念珠を摺って祈る」巻一〈祈祷部〉コマ番号9 古説に、鳥羽僧正覚宥、大法修行の時、伴僧に修行の竟(おわ)れるを知らしめんとて、行法の了(おわ)りに摺りしとなり。また一心精誠を表せんとして摺(す)るとも云(い)へり。 ⊿念珠(数珠)のことは巻五…

大賀亮谿師範 その3

かねて梅花流草創期の人物を一人ずつ、そのライフヒストリーを追ってみたいと思っていた。その人がどのような生い立ちの中で梅花と出会い、どのように学び、そしてそれをまわりに発していったのか。「梅花流の誕生」を探ることを課題としているものにとって…