BON's diary

「何考えてんだ、お前はっ!」 「い、いろんなこと」

2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

下田正弘「神仏習合という可能性‐仏教研究と近代‐」『宗教研究』81(2) 2007年9月

〈論文要旨〉神仏習合の裏面の問いとしての神仏分離には、近世から近代にかけて中央集権国家を構築した日本の歴史全体が反映する。仏教の迫害と変容の基点となった明治維新をとりまく暈繝には、権力支配の構造の変容と諸知識体系化の歴史が重なりあう。経世…

下田正弘「仏(ブッダ)とは何か」『駒澤短期大学仏教論集』第5号、1999年10月

さまざまなヴァリェーションがある仏教において、最低限の共通項は何かと問われるなら、それは「三宝の存在」であると考えられること、それだけを申しあげておきましょう。 仏宝、法宝、僧宝の「三宝に帰依をする」ことによって人々は仏教徒になっていく。時…

【真読】ちょっといっぷく(五)反省

とういうわけで本編『真俗仏事編』巻四「送終部」を読み終わり、次回からは巻五「雑記部」へと移ることになる。これまでの例にならって本文の文脈からは離れて一息つくのがこの幕間だ。 この連載やそしてその元になっているfb「仏事習俗アラカルト」でもい…

法具の密教的意義について その4

「金剛和讃」の密教的解釈については「その3」で紹介した通りである。さらに詳しい解説に及ぶことは、他宗・他流の奥義に触れることにもなるので、このような半公開的な性格を帯びたWEB上では控えておきたい。金剛界曼荼羅及び成身会については図像を利用し…

法具の密教的意義について その3

曽我部自身による「金剛和讃」の解説もあるがいささか頁数が多い、ここではやや時代を下るが、曽我部の解説趣旨を踏襲しているものとして、以下の「金剛和讃解説」(『高野山金剛流詠歌和讃の解説』高野山布教研究所編集、昭和63年初版、平成元年第三版)を…

法具の密教的意義について その2

金剛流流祖 曽我部俊雄師像 「金剛和讃」の作者・曽我部俊雄師は、金剛流御詠歌の音符・楽理(音楽的理論)・所作・指導原理の大成者と評される人で、「金剛和讃」が発表された昭和四年九月には金剛流詠監職に就任し、後には「金剛流流祖」の称号を得ている…

法具の密教的意義について その1

法具の意味づけについては、これまでしばしば問われることのあったものの、梅花流ではそれを解説するものがなかった。それは真言宗所伝の御詠歌をもとに曹洞宗梅花流が発足した際、あえて採用しなかったのではないかと考えている。そのため今日の梅花流布教…

よこみち【真読】№113「オムカエデゴンス」

来迎の場面とは多くの場合迎えられる者にとって<のぞましい>ものとして描かれることが多いというイメージがある。浄土教系の往生観念を下敷きにした来迎図のバリェーションがそれだ。もっともこのことはビジュアルとして世に出回っている媒体が多いと云う…