BON's diary

「何考えてんだ、お前はっ!」 「い、いろんなこと」

2014-08-01から1ヶ月間の記事一覧

よし と 憂し

月例で行っている輪読会。昨日のテキスト『驢鞍橋』(鈴木正三著)より一節。 ある人、問う、「古歌に“なかなかに 深山の奥ぞ住みよけれ 草木は人の是非を云わねば”とございます。これは仏道を詠じたものと聞いておりますがいかがなものでしょうか」正三師、…

 「出家」のこと

かつてこのことを考えるきっかけになった一文。 出典は明治12年刊行『求化微糧談』巻八上(吉岡信行撰)。「仏遺教経」の注釈の一部で展開された説示。 ここに著者が示しているのは4種類の出家。いわく、1「出家の出家」 説明は省略されているが、出家中の…

伝朱子 偶成

少年 老いやすく 学 なりがたし 一寸の光陰 軽んずべからず いまだ覚めず 池塘春草の夢 階前の梧葉已に秋声

「お盆」十題 その10 “うちあげ”

ふう。やっと終わった、ご苦労さん。久しぶりの出逢いと、永遠のお別れ。迎え火に誘われ来る御魂と、この世の子や孫達と酒酌み交わす祖霊達。蓮台に並べられた供物と、座敷の宴に供される山海の珍味。静謐な悲しみと、猥雑な饗応。歓声と涙、恋慕とはじける笑…

「お盆」十題 その9 “なす牛ときゅうり馬”

「ひねなすび馬役をあいつとめけり」小林一茶 ナスとキュウリを牛馬に見立てて盆棚に飾るのはいつ頃からだろう。中国起源かなと思ったけど、ちょっとわからない。日本オリジナルだろうか。おもしろいと思うのは現世と来世を往還する次第が「陸路」であるとい…

「お盆」十題 その8 “中元”

月遅れという違いを抜きにして言えば、お盆は7月15日。ご存じのようにこの日は、僧侶たちにとっては「自恣の日」といって、集団で修行生活している仲間の「反省日」にあたる。今ひとつは「中元」にあたる。 お中元として、その習俗がけっこう変わりつつも残…

「お盆」十題 その7 “もっきり”

「お盆」十題 その7 “もっきり” もっきりとは、「盛り切りのコップ酒」から転じて「間に合わせの用意で飲む酒盛り」。 うちのお檀家さんの集落共同墓地で、お盆の13日なると見られる光景。集落の家々から夕刻近くになるとぞろぞろ集まってきてお墓で始まる…

「お盆」十題 その6 “蓮のうてな”

盆棚に供える食べ物を蓮の葉にのせるのは各地でもご同様だろうか。こちらでは「お盆用品」のひとつで店先で売られている。蓮はホトケに縁が親しいという発想からなのか。なにか由来があるかも知れない。お檀家さんを回っていると、ときどき代用品を見かける…

「お盆」十題 その5 “迎え火”

今日、ある老僧が亡くなった。 九十四歳。親しくさせてもらった、好きな老僧だった。 お寺の下働きをして大きくなり、軍役に従事し、厳格で知られる僧堂で鍛えられ、新地建立した寺院の三代目となった。そんな苦労話や自慢話は誰も聞いたことがない。 細工物…

「お盆」十題 その4 “お盆とお盆”

年中行事や仏教関係の印刷物、あるいはネットなどで行われている「お盆」「盂蘭盆」の解説は、いずれも似たり寄ったり。盂蘭盆とはもと梵語のウランバーナという言葉がもとになったもの、その意味は倒懸(逆さ吊り)の苦という・・、という内容。「倒懸の苦…

「お盆」十題 その3 “紅蓮せんべい” 

紅蓮せんべい。ご存じの方はどれくらいいらっしゃるだろうか。おそらくは地域限定(宮城県・特に松島周辺と、秋田県・特に象潟周辺)じゃないかと思うのだが、いかがだろう。 その由来は掲載サイトにあるように、象潟の娘タニと松島の小太郎との悲恋物語にあ…

「お盆」十題 その2 “夢”

昨夜(8月11日)、夢を見た。ふだんは見た夢などほとんど憶えていることがない。 学生の頃、寄宿していた東京のお寺の学寮で一緒だった一つ下の後輩と逢った。 少し離れたところで、こっちを向いて遠慮がちに視線を送っていた。「おお、なつかしいなぁ」とこ…

「けちらし」考 

「けちらす」=禅宗修行道場などでミスをすること。 用例「やっべ~、俺今朝の振鈴(起床の合図のため道場内で大きな鈴の音を鳴らし修行僧を目覚めさせること、またその役目)けちらしちゃったよ」f友Akiさんのタイムラインからいただいてきましたこの言葉…

「お盆」十題 その1 “にぎやかな店先”

8月お盆の当地(秋田県北部)もいよいよシーズン到来。どこのお店も、色とりどりのお盆用品でいっぱいです。

江戸時代「警策」論議(7)

しめくくりの一段、ここでも面山さんの修行者達に対する細やかな心配りが見える。 思うに、人は身のまわりの諸事から解放され心が静かなときは、その眠りは軽やかであり、煩瑣な身辺雑事に追われ気持ちの落ち着かぬときは、その眠りは重苦しいものとなる(原…

江戸時代「警策」論議(6)

http://www.soto-kinki.net/images/zazen/beginner/pic_beginner17.jpg こんどは、ここで面山さんは、禅杖を受ける人と禅杖を行ずる人、双方の心の持ちようについて語る。 受杖の人はよくよく心に念うべきである。「自分は髪を落とし衣を染めて僧侶となった…

江戸時代「警策」論議(5)

お釈迦様の意をくんで、面山さんが新しく考案したという「禅杖」。その用法がここから示されるのだけど、面山さんは「行杖」と「受杖」、つまり警策・・じゃなくて禅杖を手にしそれを行ずる者と、坐禅していてそれを受ける者、という両方の面から説明してい…