BON's diary

「何考えてんだ、お前はっ!」 「い、いろんなこと」

2015-05-01から1ヶ月間の記事一覧

よこみち【真読】 №27 「花という饒舌」

本編の語る「供養花」の由来、どこかしらで仏伝に関わるもので、そしてこれを用いることで他では得られない結果(功徳・福徳)が得られるというもの、これまでの説相と軌は同じ。 これを、花と仏教、花と宗教、花と文化というところまでアングルを引いて「見…

【真読】 №27「華」 巻二〈供養部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号22 仏の供養物、先ず花を用ゆべし。『智度論』三十にいわく、「須摩提菩薩、燃灯仏に見(まみ)ゆるに勝れたる供養の具なし。時に花を売る女あるを見て、五百の金銭をもって五茎の青蓮華…

よこみち【真読】 №26 「ミクロコスモスマクロコスモス」

何度か表明していますが私・管理人は曹洞宗に属するものです。どちらかといえばその方面の情報に多く触れて来ました。密教はまったく門外漢です。ですので真言密教者が編述した『真俗仏事編』に立項される項目のうち、密教的な説明が中心的なものはこれまであ…

【真読】 №26「六種供具」 巻二〈供養部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号21 華・塗香・水・焼香・飯食・灯明なり。これ六波羅密を表す。 水は檀波羅密、貧苦を潤すをもってなり。 塗香は戒波羅密なり、塗香はよく垢を清浄にす、戒の体、浄よく垢を治するに喩う…

よこみち【真読】 №25 「緑の力」

樒とよく似たものに榊がある。 この二つ、話題になることは少なくないと見えてどこがどう違うとか、榊は神道で、樒は仏教だとかいろんなことが言われている。ま、そのあたりは先行する諸先生にお任せします。 榊の方は「木」+「神」なので、ご神前へという…

【真読】 №25「樒(しきみ)を仏に供す」 巻二〈供養部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号21 樒(しきみ)の実は、もと天竺より来たれり。本邦へは鑑真和尚の請来なり。その形、天竺無熱池の青蓮華に似たり。ゆえにこれを取って仏に供すると云々。(供物義)

『驢鞍橋』 - ある長老たち への批判-

たまたま今日仲間と読んでいた『驢鞍橋』、下巻の第67節におもしろい記事があった。 作者・正三(1579-1655)は江戸前期の人。 当時の禅宗界、特徴のひとつに抄物の盛行がある。『碧巌録』『虚堂録』など中国禅の語録に加え、禅宗のガイダンス『五家正宗賛』…

よこみち【真読】 №24 「森の香り」

この項目になって小さなうずきのような後悔を思い出すことになった。 いまではお香を扱う店の目録でもあまり見かけなくなった緑色の抹香のことである。 私が小さい頃、お寺で焚いていた抹香はこのような緑の香がほとんどだった。今のように茶色っぽいものや…

【真読】 №24「抹香」 巻二〈供養部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号21 「抹」は「末」と同じ、細末の義なり。ゆえに粉にせる香はみな抹香という。 『智論』にいわく、「乾香まさに焼くべし。濕香まさに塗るべし。末香および華はまさに散らすべし。

よこみち【真読】 №23 「粉末じゃない塗香!?」

塗香と言えば、画像のように小さな塗香入れに入っていて、トントンと中の粉末を手に少量取り、両手でこすりこすりしてその香りをなじませるもの、ということなのだが。 http://www.tendai.or.jp/houwashuu/kiji.php?nid=23 これ、天台宗や真言宗では一般的に…

【真読】 №23「塗香」 巻二〈供養部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号21 『蘇悉地経』の中に、塗香の薬法詳(つまびら)かに出でて、これ仏天の供養物なり。 『時処軌』にいわく、「我が塗香を献ずるに由て、まさに五法身を獲るべし。願わくは、これより等…

よこみち【真読】 №22 「消臭・・・ですか。」

「お香を供える」ということをはじめとして、こうした仏事の故事来歴に対して、私たちはある期待をもってその答えに臨んでいるように思う。それは多分に予定調和的で、多くの人達に拍手と共感を持って迎えられることを望まれているものでもある。 もう少し平…

【 玄楼奥龍 】 考 1 「志州安乗浦」 

尾鷲市法念寺住職・佐藤誠晃師のご厚意が、今回の志摩行のきっかけだった。 朝5時頃、自坊で出がけの支度を調えていた時は気温4~5度。ストーブで暖を取りながらだった。9時過ぎのANAで秋田空港を発ち、名古屋セントレア中部国際空港に着いたのは10:40。…

【真読】 №22「香」 巻二〈供養部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号20 香華等の供養の功徳、各々これよりの條々に見えたり。然るにもし真言を以て花香等を加持して仏に献ずるときは、またなお功徳殊勝なり。ゆえに『大日経疏』十一に曰く、「随って華等を…

〈玄楼奥龍〉考 はじめに

「高嶺」の原作者・玄楼奥龍師について、これから時折綴っておこうと思う。 おそらくは弟子風外本高の描いたその頂像が彷彿とさせるように、一筋縄ではいかない傑僧がこの人。 1720年に生まれ、1813年、94歳で没した。当時としては破格の高齢と思われる。 数…

よこみち【真読】 №21 「陰膳から仏膳へ」

「なぜ死者に食物を供えるのか」とは、多くの人が抱く疑問だと思う。 試しにこの手の話題を扱ったサイトを検索してみる。するとずいぶんミョーなことを言っているところに出くわした。おそらく名のあるりっぱな研究家の先生だろうからここではそのサイトアド…

【真読】 №21「飲食(おんじき)を供養する」 巻二〈供養部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号20 秘軌の説に拠て行者、先ず飲食を弁じて供養すること肝要とす。もし飲食を献ぜざれば、諸天等の外護なきがゆえに、その人、魔障に著(つ)かれて精気無く、悪想起こって行法成就せず。…

【真読】ちょっといっぷく(一) 「子登とは、どういう人?」

いつも【『真俗仏事編』読書会】をご覧いただいているみなさま、ありがとうございます。 おかげさまで全六巻のうちの第一巻「祈祷部」を終わりました。と言っても、全部で46項目あるうち、取り上げたのは19項目でした。(ナンバーは20までカウントしています…

よこみち【真読】 №20 「びんずるさんとビリケンさん」

数ある仏像の中でも唯一賓頭廬さんだけが持つ特徴、それは「おさわり」ができるということ。ほかはほとんど「さわってはいけません」場合によっては「撮影してはいけません」そして時によっては「見てはいけません」ですね。 今回の「よこみち」、この「おさ…

春遊小景

朝イチで銀行へ行き、昨日から中途だった会計事務を片付ける。 プリンタの上にC学会の講演リライタ校正。昨年の一月末までに提出〆切のもの。 PCの横に抄物翻刻読解のテキスト。今月後半に発表担当。 仏間の座卓にR寺所蔵資料。連休明けに目録提出予定。…