BON's diary

「何考えてんだ、お前はっ!」 「い、いろんなこと」

2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

【真読】 №12「荼吉尼」 巻一〈祈祷部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号17 〈荼吉尼〉 〈犬神 飯縄使いがあつかうとも〉 これは狐を云う。曼荼羅の中では夜叉とも云うものなり。業通自在にして、速疾身を自由にせり。我が朝の飯縄の神と云うものと同類なるべ…

よこみち【真読】 №11 「イエ」と「カマド」

竈神といえば、台所のカマドの神さまということだが、より広義には「家の神」という性格がよく当てはまるように思う。 事実、そのように指摘している研究者もあるのでこの考えは私のオリジナルでも何でもないのだが、民俗学畑で言われている以上に「イエ」と…

古茂田信男『雨情と新民謡運動‐藤井清水・権藤円立らと共に‐』ふるさと文庫(1989、筑波書林)

奥付の著者略歴によれば、古茂田は明治40年茨城県生まれ。野口雨情に師事したと見える。 詩集、論考などの著作あり。雨情の研究家でもあるようで、刊行当時は雨情会会長。内容によれば、藤井・権藤らとも個人的に親交のあったようで、3人(雨情と共に三羽鴉…

【真読】 №11「竈神」 巻一〈祈祷部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号16 竈神の事実、俗書の中に多く出たり。 その一二を出ださば、 『太上感応編』に云く、「月の晦日には竈神もまた天に上って人の善悪を奏す。(注)江西の兪都、字(あざな)は良臣と云う…

よこみち【真読】 №9 「あらけなき神々」 

私の住む秋田県北部の山里には、いまでも「あらげない」という言葉が残っている。 用例:「このおやじだば、酒飲めばあらげねくて困ったもんだ!」 訳(このおやじは、酒を飲むと乱暴になって困ったものだ!) 残っている、という言い方をするのはこれが古語…

よこみち【真読】№10 「春と秋は中途ハンパか?」

かつて小田某の作った歌詞に、春と秋は、夏と冬の間に置いたから中途半端なのだというくだりがあった。三十年以上前のこと。ときどきこの歌を耳にする度に、少し引っかかるところあったので、「春秋彼岸」にふれた今回、いい機会だから取り上げておこう。 『…

【真読】 №10「春秋の彼岸の仏事」 巻五〈雑記部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号48 問う、「春秋の中の時節を彼岸と名づけ、仏事を修し、善根を作す時とす。そのゆえいかん」。 答ていわく、「これに三説あり。これより列(つらね)て示さん。 第一説に云く。“それ仏…

【真読】 №9「荒神を竈の神となす」 巻一〈祈祷部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号16 問う、「世俗、荒神を竈の神として竈において常に祀る。今の縁起にはこの事無し、いかん」。 答う、「古来の口説に、“荒神は最も不浄を忌む、然るに火はその体清浄にして、しかも不浄…

よこみち【真読】№8「多面多臂なる神さま」 

三宝荒神のお題でよこみちに逸れようとしてふと考えた。 荒ぶる神としての「荒神」は本編の次の項目で用意されている。 竈の神としての「荒神」は本編の次の次の項目で用意されている。 曹洞宗における三宝荒神の話はいろいろあるのだが、いささか先客が多く…

【真読】 №8「家に三宝荒神を祭る」 巻一〈祈祷部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号15 (画像は『仏像図彙』元禄3年跋より) 家々に荒神を祭るは、役行者(えんのぎょうじゃ)より始まる。災難口舌は皆な荒神ならびに九万八千眷属の祟りなることを、役行者、世に弘めたま…

「いのり」について

昨日は311。 あふれるほどの被災地情報が静かになった今日、自分のために書きとめておきたいことがある。 かつてこのdiaryにメモしていたダライ・ラマの次の言葉である。 「また、儀式やお祈りばかりしていても、そこに救いはありません。 正直に申し上げれ…

よこみち【真読】№7 「召しませ初もの」

目に青葉 山ほととぎす 初鰹 よこみちに逸れる前にコメントしておきたい。 本編の「初穂」の由来のこと。本編では『倭姫命世記』を主な典拠にしてるのだけど、こうした説明をしている例が存外に少ない。現在、代表的な神道・民俗関係の辞書類と思しい『神道辞…

【真読】 №7「初穂」 巻一〈祈祷部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号15 古に、耕作して取り収め初めを神に奉るを初穂と云いしより、金・銀・米・銭一切を神に奉るを皆な初穂と云う、と『三代実録』に見えたり。 按ずるに『倭姫命世紀(やまとひめのみこと…

よこみち【真読】 №6 「白と黒の話」  

白と言えば黒。 そして〈白と黒〉というファクターほど豊富な話題へ至る入り口はないかも知れない。だから今回はその一端だけにしておこう。 本編の「白衣」が舞台となるのは「潔斎」の場面。そこに求められているのはホワイトという色だけではなく、無垢(…

【真読】 №6「新薦に寝ならびに白衣を著る」 巻一〈祈祷部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号15 僧あり、来たりて問うていわく、「吾が俗、潔斎するには必ず新薦(あらこも)に臥(ふ)し、あるいは白衣を著る」と。 これ皆な密軌に依れり。『観自在三世最勝心明王軌』にいわく、…

よこみち【真読】 №5「沐浴と禊ぎのあいだ」 

河で沐浴と言えば “ガンジス”。 ガンジスで沐浴と言えば “秋吉久美子”。 この連想に共感してくれる人は話が合いそうなので今度一緒に呑みましょう(笑) 『深い河』。 アラーハーバードの飛行場からヴァーラーナースィに向かうバス。ガンガーとジャムナー二…

【真読】 №5「河水に浴して祈る」 巻一〈祈祷部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号15 あるいは水中の行を問う。 答えていわく、「『不動使者秘密法』にいわく“また次に呪を誦す。数万し已(おわ)らば、江海大河の深さ頸(くび)に至る處に入り、面(かお)東に向かい立…