BON's diary

「何考えてんだ、お前はっ!」 「い、いろんなこと」

2015-11-01から1ヶ月間の記事一覧

延岡の権藤圓立 (序)川のある街 

宮崎県延岡市。 五ヶ瀬川と大瀬川がゆっくり河口へ向かう。その二つの川つに挟まれた市の中心街が冬の朝陽を浴びてゆく。 延岡の友人が昨夜案内してくれたBAR KOBE。 私と同い年だという女性オーナーの作ってくれた3杯のカクテルが思ったよりも残っている。…

よこみち【真読】№57「タマシイが来たら磬を鳴らせ」

私がまだ小学生の低学年頃だったと思う。夜、まだ建てかえる前の古い庫裡に祖父母と三人で居た時のことだった。 本堂の方から、「ゴーン」と磬子の音が聞こえた。遠い音だったが明らかに磬子の音とわかった。私だけの空耳でない証しに、居合わせた祖父母も音…

【真読】 №57「鐘を聞けば、善心を生ず」巻二〈音楽部〉(『和漢真俗仏事編』web読書会)

テキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号30 およそ鐘磬を聴けば、覚えずしてたちまち善念生ずるは自然の理なり。ゆえに臨終の人には、これがために鐘を打ち聞かしむ、この謂われなり。これを無常鐘と名づく。『釈氏要覧』に詳らか…

よこみち【真読】№56「山のお寺の鐘が鳴る」

鐘に関わる偈にはいくつかあるらしい。曹洞宗の修行道場では梵鐘を打つ際に「鳴鐘の偈」というものを唱えるよう教えられる。「三途八難(さんずはちなん)、息苦停酸(そっくじょうさん)、法界衆生(ほっかいしゅじょう)、聞声悟道(もんしょうごどう)」…

【真読】 №56「鐘を聞けば、偈を誦せよ」巻二〈音楽部〉(『和漢真俗仏事編』web読書会)

鐘の祟り・・・? テキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号29 『諸経要集』に云く、「鐘を聞いて臥して起たざれば、護塔の善神嗔(いか)りて祟りをなす。現在は福薄く、来世は蛇身を受く。ゆえに鐘を聞けば偈を誦すべし。偈に曰く…

よこみち【真読】№56「異界の力」

画像は「恵信尼夢告」 本編、『付法蔵伝』や『名義集』のエピソードに見るように、現在の仏事の由来を、あの世の出来事から説明する例がよくある。ともすれば荒唐無稽なこうした手段が、たしかな説得力を持ち得てきたのはなぜだろう。蘇生譚や霊夢譚など、今…

よこみち【真読】№55の続き 「きっかけは〈鈴〉」-戒名のこと-

よこみち№55で戒名のことに触れた折、いく人かのコメントをいただいた。僧職にあって戒名授与する立場にあれば、少なからず関心のあるところと思う。そこで若干の補足として、江戸時代の禅僧が与えた戒名の例をご紹介したい。 その禅僧とは、玄楼奥龍(1720…

【真読】 №56「鐘(ツリガネ)」巻二〈音楽部〉(『和漢真俗仏事編』web読書会)

テキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号29 『名義集』に曰く、「犍椎(ケンチ)、『声論』に磬となして翻す。また鐘と翻す」。 ○『増一阿含経』に云く、「もし鐘を打つ時には、一切悪道の諸苦並びに皆な停止す」。 ○『付法蔵伝』…

雨の西麻布

18歳から22歳の四年間を一緒に過ごした。 このメンツが一堂に会するの32年ぶり。この時間のブランク感が全くない。一気にわいがや。 集合場所の表参道B3出口からアンティック通りと呼ばれていた路を別院へ。折からの雨。町並みはすっかり変わっている。富…

よこみち【真読】№55「きっかけは〈鈴〉」

「奥様のお名前は、〈れいこ〉さんですかそれとも〈りんこ〉さんと訓むのですか?」 「いや、〈すずこ〉です」 あるお葬式の事前打ち合わせ、喪主である故人の夫とのやり取りである。 〈鈴子〉と書いて〈すずこ〉と訓む例はあまり知らなかった。 その病が見…

【真読】 №55「鈴(リン)」巻二〈音楽部〉(『和漢真俗仏事編』web読書会)

テキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号29 これもまた仏前の鳴り物なり。その形、鈴の属なればこれに称す。唐音を用いて鈴(リン)と呼ぶなり。密家にはこれを金鋺(カナマリ)と云う。儀軌の中に出づ。

よこみち【真読】№54「猫に小判」

「カン・オツ・モン、の三種の音を自在に調節できるのが磬子職人です」 と自信に満ちて語るこの人、三代目昇龍を名乗る業界では知られた職人さんだった。その説明に依れば、棓(バイ)が磬子に当たった刹那に鳴る音がカン(甲)、言ってみれば「ゴオ~~ン」…

【真読】 №54「磬(ケイ)」巻二〈音楽部〉(『和漢真俗仏事編』web読書会)

テキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号29 仏前法用のとき先ず磬を鳴らすことは、本尊諸天を警覚するためなり。 ○梵語の犍椎(ケンチ)を、『声論』に磬と翻す。しかるに磬と鐘とは大いに殊なれり。しかるをなにに依てか『声論』…

よこみち【真読】№53「仏教と修験道の間に」

本編№53「法螺」をアップしたその日から、偶々神奈川県大雄山最乗寺で三日間を過ごした。曹洞宗修行道場として知られるこの寺は、もう一つ「道了尊」の寺としても知られる。 最乗寺開山了庵禅師に仕え、寺基開創にあたり500人力の大力量をもって貢献し、了庵…

【真読】 №53「法螺」 巻二〈音楽部〉(『和漢真俗仏事編』web読書会)

テキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号28 問う、「法事に法螺を吹くは、何のためぞ」。 答えて曰く、「仏の説法の音声の幖幟なり」(『大日経疏』十六の五「仏頂」の中の、「無量仏頂の三摩耶形を珂貝とす」とはこの義なり。珂貝…

よこみち【真読】№51&52「ジャランボン」

荼毘送りの行列。 四本の龍頭を先頭に遺族と集落民総出で故人の亡骸を墓所まで送る。今ではほとんど行われなくなった。 私の住む秋田県北秋田市の一地域の例。 集落に死者が出ると、「ハナヒキ」の男衆が葬家に集まってくる。 先ずは枕飾りの準備。ハヤダン…