よこみち【真読】 №6 「白と黒の話」
白と言えば黒。
そして〈白と黒〉というファクターほど豊富な話題へ至る入り口はないかも知れない。だから今回はその一端だけにしておこう。
本編の「白衣」が舞台となるのは「潔斎」の場面。そこに求められているのはホワイトという色だけではなく、無垢(イノセント)なる属性。
それにしても不思議なのは、この『真俗仏事編』という書。
今回のように「吾が俗、潔斎するには」と、明らかに日本の習俗である潔斎を話題にしているのに、求める典拠は仏典を持ち出してくる。かと思うと、この後採り上げる予定の「初穂」の典拠には神道書を持ち出してきたりする。編者・子登の妙な博学ぶりがうかがえる。
さて白衣とくれば、やっぱし「白衣の天使」だよな。
おもしろいのは、この白という記号が「白衣の天使」になると、純粋無垢という属性から、性的な色合いを加味されるキャラが多くなってくる。
たとえばこれなんかはまだまだ健全なんだけど
これなんかになると完全にそっちの方向ですよね。
先に挙げた和装の花嫁衣装=白無垢のもつ「白」のイメージは、たぶん洋装でもおんなじで、
ご覧の通りなんだけど、こんなの見てて思うのは、ここで求められているイメージは「“捧げもの”としての無垢」じゃないかと思う。
白無垢、純白のウェディングドレス、ここに共通するのは「妻」となる直前の状態を示していること。この状態の直後に暗黙のうちに、しかし公然と予定されているのが夫とのMAGUWAI。これってジェンダー的に見るとそれなりにツッコミどころだろうと思うけど、そんな議論って在ったのかな(どうでもいいけど)。でもだからこそ「白」が性的なイメージへ転化されやすいのじゃないかと思ったりする。
反対に「黒衣」というと、つきまとうのがダーティーなイメージ。
黒衣の宰相と言われた方は歴史上少なくない。次は天海さん。
「黒」が喚起するダーティーさは、時に圧倒的なほど禍々しい力を持つ。それはきっと「闇」に由来する。古今、闇のヒーローたちの共通する属性がそこにある。
こうした闇の属性はまた、「死」のイメージをもあわせもつ。
ハリーポッターに登場する「あのお方」も然りなのだが、よくできていると思ったのは黒ひげの能力。彼は自身の持つ「ヤミヤミの実」の力に加え、絶命した白ひげから「グラグラの実」の力を吸収する。闇が死を吸い取るという図式。やるなあ、尾田栄一郎。
黒と死とくれば喪服。
これ自体きわめてニュートラルなたたずまいだけど、見る人によっては白衣と同様に性的な展開を内在しているものと映るのかも知れない。そのあたりをめざとく察知した作品はやはりあって、たとえば次なんかがそう。
こんなふうに、それじゃお里がバレバレでしょ的な展開じゃなくて、露出度きわめて抑えめ、表面の上のEROSアピール皆無の、以下のような展開に私などは「萌え」を感じるのだけど、だめかね。
そうそう、イノセントな黒ってのもありました。
いわゆる修行僧の「墨染めの衣」
でもこれはこれで、一部の女子たち(えっ、男子も!?)の「萌え」対象なんでしょうね。
素人と玄人、犯人の目星の白と黒、白不浄と黒不浄、まだまだこのテーマは尽きないんだけど、後々に取っておきましょう。
仏教でも黒と白ってのは、僧侶と在家者っていうたとえになるんだよね。
今回のテーマ、自分にとってはとてもおもしろいものなんだけど、とめどなく冗長になりそうなのでここでおしまい。
最後に、せっかくだからテーマに触れて「白黒ショー画像」をアップしておきます。ただし、不快な思いを与えるおそれがありますので、よい子は退場して下さい。
もう少し下です。
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さあどうぞ!
ご不快じゃなくって、「ゆかい」なお気持ちになっていただけたら幸いです。
あんたも好きね。