BON's diary

「何考えてんだ、お前はっ!」 「い、いろんなこと」

よこみち【世読】No.10「す、スキが・・」

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「追って沙汰あるを待て」
 〈沙汰〉なんて聞くとついこんな時代劇がかったセリフを思い浮かべてしまう。でもあらためて沙汰の着く言葉を挙げてみると、
 刃傷沙汰、裁判沙汰、警察沙汰、色恋沙汰、新聞沙汰、沙汰止み、沙汰無し、音沙汰、御無沙汰、正気の沙汰、キ××イ沙汰、地獄の沙汰も金次第、取りざたするのしないの・・と。存外に多いことがわかる。そのもとを質すと本編で言うように、ものごとの道理を分明ならしめていくことにあるという。
 にしても今回の本編、『杜詩集注』の注釈に始まって、公儀の用語に及び、当世の用例にコメントするという、的確にして簡明なことといったらじつにシャープというほかない。実際に〈沙汰〉について調べてみていざまとめてみようとなると、子登の記述は現行の他の類書よりも頭ひとつ抜け出ている観がある。「群書に多く出ず」という短いコメントも、こりゃかなり読んでるなとうかがわせるに充分だ。そのスキのなさに、今回のよこみちは大いに遅れを取っちまった。