角張月峰「日本再建と道義心」『大乗禅』23-3、昭和21年8月号(194608)
「日本再建」とは、戦後日本の一つの命題とも言えるもののように感じてきた。
社会の各層、各組織でこの命題に挑んでいるように感じる。
とすればこの作業をもう少し続けて、そこに見える傾向・特色を見出せないだろうか。
「徳は本也、財は末也」(大学の孔子語)この語をキーとして展開する。 「明治維新以来、吾が国は釈迦を捨て、孔子を忘れて了ふた」本である徳を軽んじ、末である財にうつつを抜かしているのが現在の日本人の姿だという。「日本民族としての現在の最も大きな悲しみは、道義の頽廃であらねばなりません」「平和日本の再建には、道義が根本であります」