BON's diary

「何考えてんだ、お前はっ!」 「い、いろんなこと」

【真読】 №81「富士垢離」巻〈苦行部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

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webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号38

 問う、「今時、垢離と名づけて川に入り、水浴して、仏を拝し、清浄なりとす。伝え聞く、天竺の外道、恒河を福河と称して河に入り居るを戒禁取といえり。しからば今の垢離も無益なるか」。
 答う、「実にこれ無益の勤苦なり。諸儀軌の中に、三時澡浴する等とはいえども、遂に河水に入って身を浄めると云うことを見ず。『仏本行経』、牧牛の女、経呆の中に、如来、尼蓮禅河に浴すと。これらの例証により後生ならうて、水に浴するを垢離と名づくるも、また神道には、水をこれ陰のゆえに不浄とし、湯はこれ陽なり、ゆえに清浄とす。神前に湯神楽を奏する等、みなこの現なり。しかれば水はこれ不浄なるものか」。