BON's diary

「何考えてんだ、お前はっ!」 「い、いろんなこと」

メガソーラー

この雪国の小さな地にメガソーラー施設誘致の気運が高まっている。
このように言えばそうした気運を高めているのは地域住民のように聞こえるかもしれないが、先導者は行政側。住民側はやや複雑である。
原発稼働への批判的な声が大きなさなか、自然エネルギー発電の雄、ソーラー事業になぜ歓迎ムードになれないのか。
理由はいくつかある。
端的に言えば、メガソーラー施設誘致が地域住民にとってメリットが少ないことにある。
1)地元雇用はほとんど生じない。
  大きなパネルを並べて設置の後は、
  水力・火力発電と違って必要とされる労働従事者はごく少数。
  維持管理面での専従者がいればよい。
2)生産される電気は、地域にとって利益を与えるわけではない。
  地域内で生産された電力はいったん既存の電力会社へ売却され、
  その後に電力会社の設定する電気料で売られる。
  つまり地域住民にとって電気料に関する環境はこれまでと変わらない。
3)ソーラーパネル設置場所は二〇年間他への転用が出来ない。
  パネル設置候補地の中には私有地も少なくない、
  だから市の意向に口を挟むものではない、というものの、
  たとえばある地域の候補地はほんらい地域住民が地権者であったところを
  「企業誘致のために」市へ提供したもの。
  しかし企業誘致は実現できないままに年数が過ぎ、
  現在は実質的に「遊休地」となっている空き地。
  市へ場所を提供した住民にしてみれば「いつか企業が来るはず」
  という期待を込めていた経緯がある。
  よしんば工場施設でなくとも、
  児童施設・高齢者福祉施設・学校・新興住宅地など
  利用価値の高い利便性のある場所である。
  パネル設置はある意味ではその場所を「塞ぐ」ことになる。
反面、なんとかして「誘致」に躍起になっている疲弊した地方行政の提示する条件は
事業者側にとって、魅力的に映るのだろうか。
自然エネルギー発電に対する各企業の助成体制も恵まれた状況にあるように思う。
行政側にすれば、年来の企業誘致問題を美名の下に切り抜ける手段とも言えないか。
失礼な言い方をすれば、
「自分たちの得にもならないものにタダで土地を貸す」
という意識が住民側にわだかまっているように思える。

f:id:ryusen301:20140209165716p:plain

f:id:ryusen301:20140209165735p:plain