BON's diary

「何考えてんだ、お前はっ!」 「い、いろんなこと」

真読】 №40「旛(はた)」 巻二〈厳具部〉(『和漢真俗仏事編』web読書会)

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テキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号25

 『随願往生経』にいわく、「亡人の子孫、これがために功徳をなせば、七分の中の一を得る。もし幡を作れば、八苦を離る。その幡風に飄(ひるがえ)りつに微塵と成るに至るまで、風の幡を吹く、その福無量なり。一転するとき転輪王の位を得る、乃至塵を吹けば小王(粟散王)の位なり」。
 ○『釈迦譜』にいわく、「阿育王、八万四千の塔を造る。いまだ成就せざるに病を得たり。ここにおいて幡を造る。然れども自ら掛ける力なくして、僧に請て懸けさしむ。これに依ってまた二十年の命を延ぶ」。
 ○また『要集』には、『迦葉語阿難経』を引いて、阿育王二十五年寿を延ぶゆえに、「続命神幡」と名づくと云えり。
 ○『百縁経』にいわく、「昔、仏在世の時、迦毘羅衛城の中に一人の長者あり。一男子を生む。形端正なり。生まるる時、虚空の中に大幡あって遍く城上を覆えり。父母、見て喜び、“波多迦(はたか)”と名づく。年長(たけ)て仏い従い出家し阿羅漢を得る。比丘見て仏に問うていわく、“波多迦、宿世いかなる福を植えて、生まるる時幡下りて覆い、形端正にして、出家得道せるや”。仏、比丘に告げたまう、“過去九十一刧、毘婆尸仏の入涅槃の後、王あり。槃頭帝(はんづまてい)と名づく。仏の舎利を収め、四宝の塔を造って供養す。その時に、一人ありて、彼の塔の辺において、大会を設け、長旛を作って塔の上に懸け、発願して去る。この功徳に縁てこれより九十一刧悪道に堕せず。天上、人中常に大旛その上を覆い、乃至、今世、我に値うて出家得道せり”」。