BON's diary

「何考えてんだ、お前はっ!」 「い、いろんなこと」

七左衛門の除蝗録 その6

注油駆除の具体的方法(三)
先の図に続いてこれも実際の稲虫の退治のようすです。
右から順に、しなへ竹、ははきをもて稲葉に付きたるむしをはらふ図、油を入れわらははきにて水をまぜる図、水に油をさしている図、稲葉にのぼりたる虫をはきとる図、あぜにて火をたき虫を焼く、油を入れ置き火を点したたき落とす図、油を入れその水をわんにて稲かぶへくりかくる図、竹の筒に油を入れ田に入るる図、大勢並びて葉に逃げのぼる虫をたたき落とす図、火をたき虫を焼く図、ささにて稲葉の虫をはらい落とす、水なき田に油を混ぜ打ちかくる。
以上のように、状況に応じて実に細やかな方法で対処していることがわかります。そしてこの油は、(その2)で見たように、鯨油ですので、田に残ったとしても土壌を荒らすことなく、むしろ施肥効果の方が高かったでしょう。しかも油まみれの虫はそのまま焼き殺すことができ、その実効性はかなりのものであったことがうかがえます。

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