よこみち【真読】№100「セブンの誘惑」
本編「七七日の追福」について、追福とは「福分の追加」。これについては「廻向」の項で触れた。
http://ryusen301.hatenablog.com/entry/2016/01/08/094022
ここでは「七七」について。
七×七=四十九というわけで、「累七」という言い方もあるが、古今東西「7」を冠したヒーロー、ヒロイン、なにかのグループはあふれんばかりに多い。
地球を守る正義の味方、ウルトラセブン。
火事場のエクスタシーの体現者、八百屋お七。
ラストのブラピの泣き顔がやたらと怖さを煽るセブン。
さらには歓喜の象徴スリーセブンありの、そっから先はやばいよのレベルセブンありの、女の子いっぱいのセブンスアベニューありのetc. と。
こう並べてみると「七」てのもいかがわしいところからそれとは無縁のところまでいろんな方向性があることがわかる。聖-俗、善-悪など一つの軸に収めきれないところが「七」の持つ魅力なのかもと思ってしまう。そうそう、七人の侍なんかはそのいい例かもしれない。
「七」のキャラクターをこのように眺めてくるとき、あらためて「七七」の面白さに気づく。なんのことかというと、この49日間はご存じのように中有、中陰ともよばれ、本有→死有→中有→生有という生命体4つのサイクルのうち、今生の本有を終えて臨終の刹那の死有をくぐり、次生の生有に至るまでの宙ぶらりんの期間。
さらに『十王経』をもとにした教説に拠れば、この期間に生前の所業を詳細に調べ上げ、赴くべき次生の六趣すなわち地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上のいずれがふさわしいかを審判するのだという。
中有期間の取り調べに関わるエネルギー、これを「七・七」と云うのもさもありなん。できれば六種にももうひとつ追加したくなっちゃうね。