BON's diary

「何考えてんだ、お前はっ!」 「い、いろんなこと」

2016-01-01から1年間の記事一覧

よこみち【真読】№83「スプラッタスプラッタ」

いやはや、この度の本編 №83に登場する愛法梵志のエピソード。すさまじいですね。 あるバラモンにこう命じられた。 「お前の皮を剥いで紙とし、流れ出た血を墨とし、骨を筆として、これから俺の言う聖なる教えの偈文を記すなら、その偈を教えてやろう」 で、…

【真読】 №83「経を血書す」巻〈苦行部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号38 『智度論』十六に云く、「愛法梵志(あいほうぼんじ)、十二年閻浮提(えんぶだい)を遍歴して、聖法を知らんことを求むれども得ず。この時、世に仏法無かりし時なり。 しかるにひと…

よこみち【真読】№82「木の実が好み」

「木食」とは言うのは、べつに木の枝や幹をむしゃむしゃ喰うのではないらしい。 木の実、クリや椎のみクコの実など。いわゆる動物性タンパク質を避けて、しかも「喰うために作ったもの」(稲作・畑作の生産物)ではなく、自然に自生の物で、自分のいのちをつ…

ある記念の日に

もう十数年、いやもしかすると二十年以上お会いしていない先生がいる。 ある大学の今では名誉教授。今年八十三歳になる。かつてある研究会でお世話になった。でもほんの数年のこと。 賀状のやりとりくらいしかなかったこのところだけど、数日前にお手紙をい…

【真読】 №82「木食」巻〈苦行部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

※画像拝借、ごめんなさい。 webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号38 今の世、五穀を絶つ者を木食(もくじき)と云う。しかるに木食の文字は経軌の中にいまだこれ考えず。 『宋高僧伝』第八「釈智封」の伝(巨方伝に附す)に…

よこみち【真読】№81 「らふ画」?

「裸婦画拝見しました。これでけっこうですので、このままお願いします」 一昨年、お世話になっている編集者にこんなメールを送ってしまった。 もう10年を越えるくらいになるが、毎月一度、子供向けの短い文章をある雑誌に連載している。それにはいつも挿絵…

【真読】 №81「富士垢離」巻〈苦行部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号38 問う、「今時、垢離と名づけて川に入り、水浴して、仏を拝し、清浄なりとす。伝え聞く、天竺の外道、恒河を福河と称して河に入り居るを戒禁取といえり。しからば今の垢離も無益なるか…

よこみち【真読】№80「 “ 人間だもの ” じゃ、だめですか?」

釈迦の今際の言葉として伝えられる一節。「私が今入滅を迎えるということは、悪しき病から解放されるようなものである。この(世に生を受け続ける)ことは、まさに捨てるべき罪悪のものである。仮に名づけて〔身体〕とされたものである。生・老・病・死の(…

【真読】 №80「断食」巻三〈苦行部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号37 問う、「断食は自餓外道の行なりと謗ずる輩あり。また『仏本行経』に、“仏、これを戒めて曰く、もし断食によってまさに大福を得べからんは、その野獣等、まさに大福を得べし、と説き…

よこみち【真読】№79「手が燃えたら熱いでしょう?」

そのとき、宿王華菩薩は、釈尊に問うた。 「世尊よ、薬王菩薩はどうして娑婆世界に留まっておられるのですか。娑婆世界では、幾千万億という難行苦行が絶えないでしょう。 世尊よ、どうかその理由を説明してください。それを聞けば、ここに集まった天のもの…

森の恵み メープルサップ

以前紹介したメープルサップ。 https://www.facebook.com/photo.php?fbid=612097622261613&set=pcb.1734775393422360&type=3&theater 地元の里山にあるイタヤカエデの100%樹液。清澄な甘さのいかにも森の恵みという味わい。これを作って(採取して?)いる…

復活三年目の「葛黒火まつりかまくら」

その時、ご神木が不自然なしなり方をした。 数日続いた雨と暖気のせいで融けた雪が膝までぬかるむかまくら会場。 やっとのことで稲ワラ・竹の葉・豆ガラを巻き付けロープを結わえ、待ちかねた子どもたちや来場者たちが引き始めて15分ほど過ぎた頃だった。 本…

ひと区切り

思いついたのは昨年の涅槃会。 毎日一つ、なにかノルマを課そう。そう思った。 蘇軾の詩を写す。一日に一篇もしくは数篇。 裏面が白紙で残っている使用済みの用紙。罫線を印刷して台紙を支度した。 初めは毛筆、そのうちに筆ペンが便利と気づきこれに換える…

【真読】 №79「腕香ならびに手燈」 巻三〈苦行部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号37 問う、「腕香を焼(た)く、手燈を燃やすは、正法に出たるか」。 答う、「『梵網経』(貪財惜宝戒)に云く、“後に新学の菩薩の百里千里より来て、大乗の経律を求むることを見ては、ま…

よこみち【真読】№78「ストイックな欲張り」

「何をたるんでいるんだ。バケツ持って廊下で立ってろ!」 こんな言葉も、イマドキであれば言われた生徒の方が喜んで教室から出て行って、そのままどこかへ遊びに行っちまうかも知れない。それはともかく、昔であれば、悪さした生徒が先生から与えられるペナ…

【真読】 №78「苦行」 巻三〈苦行部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号37 諸の苦行は精進波羅蜜の行なり。ゆえに『智度論』十六に曰く、「いかんが精進の相と名づく。 答えて曰く、事に必ずよく発して、難ずることなく、志意、堅彊(けんきょう)にして、心…

よこみち【真読】№77「ツンデレ」

本編の冒頭、なかなか意味深長かつ場合によっては耳が痛い言葉だ。「食を受けて施主に対して挨拶するに、取捨あるべし。下り諂(へつら)うはなお誡しむべし」 「取捨あるべし」というのは「時によって善し悪しがある」というほどの意味だと思う。「食」だけ…

【真読】 №77「施主のために呪願す」 巻三〈祭礼部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号37 食を受けて施主に対して挨拶するに、取捨あるべし。下り諂(へつら)うはなお誡しむべし。施主を喜ばしむるはこれ法なり。すでに『長阿含』の中に、仏、布施を呪願したまいし偈あり。…

よこみち【真読】№76「なぞの踞坐」

今回の本編のタイトルで最初に頭に浮かんだのが画像のようなスタイルだった。 韓国で伝統料理の店に入ったら、食器は床にベタ置き、サクラらしい民族衣装を着た女性たちはこんな格好で食事していた。「食事の時は踞坐」と言えばこれ、と思ったのである。 今…

【真読】 №76「食するときは踞坐す」 巻三〈祭礼部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

問う、「僧の食する時、踞坐(ろくにおるを云う)するは法なるか」。 答えて曰く、「『事抄』に云く、“『三千威儀』に云く、〔浄衣踞坐して食する所以は、仏、始めて成道して、乳の糜(かゆ)を受けたまう〕。諸仏の法を観るに、みな浄衣を着し、踞坐して食…

よこみち【真読】№75「快楽の追求」

料理とは、本編では、獅子座という家具らしきものをこしらえることだった。 また引き合いにご登場いただいた、あでやかなるハンコック様が言ったのは、相手を意のままにあやつり仕立て上げる、という意味だろう。 食材の調理、モノのこしらえ、ヒトのこしら…

【真読】 №75「料理」 巻三〈祭礼部〉(『和漢真俗仏事編』web読書会)

テキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号37 食物を営むを料理という本拠知れず、とある俗書の説に云えり。 愚、按ずるに、この文字『行事鈔』の下に出たり。彼に云く、「『僧祇』に云く、“居士、僧に飲(食カ)しおわって遺余の食…

よこみち【真読】№74「ちゃんとお皿持って食べなさい!」

食事マナーが話題の本編にちなみ、どなたかご存じであれば教えていただきたい。 日本では食事の際に食器を持って食べるのがマナーとされているけれど、これはどこから始まったのだろう。 おそらく少なくない人たちは、禅宗の食事作法がもとじゃないかと考え…

【真読】 №74「施主自ら食を行(ひ)く」 巻三〈祭礼部〉(『和漢真俗仏事編』web読書会)

テキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号37 在家、もし僧を請して食を施さば、自ら給仕すべし。これ礼式なり。 『行事鈔』に曰く、「『増一阿含』には、“諸王、供を設くるに自手(てずか)ら食を行(ひ)く、庶民、これに同じくす”…

よこみち【真読】№73「慎独」

大阪の陽松庵というお寺に伺った時、その寺院の中興である天桂伝尊という禅僧の木像を拝観した。曹洞宗では江戸時代の傑僧として知られるその人。その性すこぶる峻厳にして、おのれの目にかなわぬ相手は徹底的に痛罵した。宗乗眼も孤高にして、世にその宗風…

箴言

私は梅花の全国大会、あるいは地方大会等に行くんですが。それでよく思うんですが、節が良ければいいってもんじゃない。声が良くって節が良ければいいってもんじゃない。やはり仏法を伝えなきゃならんと云うものですから。人を選んでもらわなかったらダメな…

【真読】 №73「師の形像」 巻三〈祭礼部〉(『和漢真俗仏事編』web読書会)

テキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号36 先師の形像を造るは、弟子の道なり。『行事鈔』下に云く、「『五百問』に、亡師のために形像を立つことを得る」と。

再起

その夜、富山の寺院住職ですがと名乗る方より電話。 徳翁良高語録を再刊した。差し上げたいという。しばらく話を聞いていると次のようなことだった。 自坊が徳翁ゆかりの寺院でもあり、大乗寺脱牌問題など関心があったが、あれこれ調べているうちに私の論文…

よこみち【真読】№72「ふどうさかもんじょうしげじんじょう」

あるお檀家さんから依頼事ひとつ。 「和尚さん、これおらほの婆さまがた申してるもんだばって、なんた意味だべが、教えてけねしか?」と、預かった用紙が画像のものである。私の住む北秋田の一集落に伝わる念仏の文句だ。この集落だけではなく、周りの集落に…

【真読】 №72「十三仏」 巻三〈祭礼部〉(『和漢真俗仏事編』web読書会)

テキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号36 問う、「年忌の法事に、初七日:不動、二七日:釈迦、乃至三十三年:虚空蔵等の本尊立つるは、本説ありや」。 答えて云く、「『下学集』に、十三仏十三の配当出づといえども本拠あるに非…