BON's diary

「何考えてんだ、お前はっ!」 「い、いろんなこと」

2015-01-01から1年間の記事一覧

【真読】 №43「卓圍(うちしき)」 巻二〈供養部〉(『和漢真俗仏事編』web読書会)

テキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号26 『新編鎌倉志』の「極楽寺の寺宝」にいわく、「繍心経の卓圍、一帳」。卓圍は俗にいう「打敷」なりといえり。 愚、按ずるに、卓圍とは、経を載せたる卓(しょく)を蓋(おお)い圍(かこ…

よこみち【真読】№42「花の首飾り」

このたびの「華鬘」を読んで思うことは、ごく当たり前のことだけれど、「最初はとても素朴だったんだな」ということ。 いくつもの典拠を挙げているが、いずれも野の草花を集めて、これを結び合わせ、つなぎ合わせて作る「花飾り」がその原型だった。もちろん…

【真読】 №42「華鬘(けまん)」 巻二〈厳具部〉(『和漢真俗仏事編』web読書会)

テキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号25 西域の風俗、貴賤男女ともに蘇摩羅華(そまらけ)を多く聯(つら)ね結びこれを貫き、あるいは首、あるいは身を飾る。これを華鬘(けまん)という。(下に『名義集』を引く)「これに繇…

よこみち【真読】№41「The Sheltering Sky」

天蓋というとどうしても連想しちまうこの映画。 灼熱の砂漠。アンニュイにしてインビなマルコビッチとデブラ・ウィンガー。はまるよね、ベルトリッチって。 じつは〈天蓋〉、大好物なネタの一つ。 以前ちょっと触れておいた「龕」にちなむ葬天蓋のこと。 htt…

【真読】 №41「蓋」 巻二〈厳具部〉(『和漢真俗仏事編』web読書会)

テキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号25 『金蔵経』にいわく、「昔、善化王に子あり。出家して独覚と成る。入滅の後、塔を建て、その塔破壊せるとき、王、修葺(しゅうしん)して、自ら宝蓋を造りて施す。この福を以て百千世常…

よこみち【真読】№40「神は細部に宿りた・・がる」

本編は新章「厳具部」に入った。今回は旛、このあと蓋、華鬘、卓圍(打敷)と続く。 この「web読書会」にご参加いただいている人は、禅宗(曹洞宗)系の人が多いと思うのだが、こうした「厳具部」の項目を見ていかがだろう。 私も曹洞宗に属する一人だが、正…

真読】 №40「旛(はた)」 巻二〈厳具部〉(『和漢真俗仏事編』web読書会)

テキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号25 『随願往生経』にいわく、「亡人の子孫、これがために功徳をなせば、七分の中の一を得る。もし幡を作れば、八苦を離る。その幡風に飄(ひるがえ)りつに微塵と成るに至るまで、風の幡を…

【真読】ちょっといっぷく(二)「編著者・子登について その2」

というわけでここまでで「供養部」が終わった。巻一と同様、拾い読み(抄出)だったので、全23項目中、19項目を取り上げた。これまた前回と同様のご案内になるが、読み飛ばしたところは各位ともwebでお読みいただきたい。 巻一を終えた時に、「ちょっといっ…

よこみち【真読】№39 「お供えもの、ごちそうさん!」

法要後の供物をどうするかという話し。 №38に続くわけだけど、こうして再び項目に取り上げるほど、『真俗仏事編』編述当時も関心があったということなのだろう。 坊さん仲間の話では、「うちではよく日本酒が上がるんだ。だから酒屋から酒買ったこと無いんだ…

【真読】 №39「行者、供物を食せず」 巻二〈供養部〉(『和漢真俗仏事編』web読書会)

テキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号24 問う、「本尊の供物、行者食すれば呪力無し、ゆえにこれを禁ずと云う」。 答えていわく、「広く密軌を考えるに一概ならず。あるいは行者に許せるもあり。繁きを恐れて詳らかに出さず。し…

よこみち【真読】 №38「供物の思ひ出」 巻二〈供養部〉(『和漢真俗仏事編』web読書会)

昭和の戦中~戦後あたりのこと、当時の住職は私の祖父。その頃ガキンチョだった地元の先輩達が時折私に話してくれる。 「あの頃は食べるもの何も無くてさ、スグリだのグミだのカッコ(桑っこ)の実だの、そこあたりに成っているもの何でも喰ったもんだ。でも…

【真読】 №38「供養物の資具」 巻二〈供養部〉(『和漢真俗仏事編』 書会)

テキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号24『瞿醯経』に依るに、「本尊に供養する物、何にても悉く大河に流せよ」とあり(彼の経の下巻九葉に出づ。また余の儀軌にもかくのごとし)。 またいわく、供養の飲食をば、貧人に施与すべ…

兀兀として・・・酒に酔う!??

この右の文字、お寺にご縁の人たちは別にして、一般の方はどれくらい読めるだろう? うちのお寺の額の文字なんだけど、「円周率のπ(パイ)ですか?」というお詣りの方もあった。 よみは「ごつ」。二文字では「ごつざ」と読む。 私がこの字の読みを知ったの…

よこみち【真読】 №37 「 “ 金をばらまく ” 行為 」

2015年4月にfbタイムラインにアップした件。 https://www.facebook.com/groups/286667194842778/permalink/427701390739357/寺院法要で行道が始まると参詣者から僧侶に向かってお金(硬化)が「投げ寄せられる」(投げつけ・・じゃ変だしね)。秋田県大館市…

【真読】 №37「散銭」 巻二〈供養部〉(『和漢真俗仏事編』web読書会)

これのことかな。 テキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号24 散銭の名、内典にこれ無し。俗に参銭、または賽銭と書ける本拠なし。散銭の文字は韓退之が『仏骨表』に出たり。 『仏骨表』にいわく、「皆な云く、天子・大聖なお一心…

よこみち【真読】№36 「美談の法則」

※すいません、一枚目の画像は投稿ミスです。 仏伝や仏教経典に由来する話はあまた在る。仏教なんて知らないがその話なら知っているという人も少なくない。今回の本編の話題もきっとそうだと思う。「貧女の一燈」。仏教が誇る(いや実際は誇っているかどうか…

【真読】 №36「貧女の一燈」 巻二〈供養部〉(『和漢真俗仏事編』web読書会)

テキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号24 ちなみに問う、「ことわざにいわく、“貧女の一燈”は、本説いづれに出たる」。 答う、『阿闍世王経』にいわく、「時に老母あり。王の仏を供養するを見て、自ら念ずらく、“我れ今世、かく…

よこみち【真読】№35 「♪心の闇を照らします~」

「心の闇」という言葉がある。 標題は曹洞宗の詠讃歌にあるごくポピュラーな曲の一節。釈迦が衆生の救済を胸に誓った時の言葉をもとにしたものだと言われている。この場合、「心の闇」が意味するのは、人びとの心の中にある悩みや迷い、あるいは仏の教えをき…

【真読】 №35「燈の愚癡の暗を除く」 巻二〈供養部〉(『和漢真俗仏事編』web読書会)

テキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号24 仏燈に、愚癡の闇を除く効能あり。 『羂索経』十九に、燈の真言を説いていわく、「かくの如きの真言三遍し、燈明を加持して、献じて供養すれば、持法の者の諸の暗障を蠲(のぞ)くを観る…

よこみち【真読】 №34 「気まぐれな由来譚」

今回の「常燈」、これまたいつもとちがう説き方だ。特に一つ前の №33「燈を滅(け)すに口をもって吹くことを禁ず」の由来の説き方とは好対照だとも言える。 №33の場合は、具体的な挙措動作が理由だったが、№34の場合は、釈迦の聖人的資質に依っている。「お…

【真読】 №34「常燈」 巻二〈供養部〉(『和漢真俗仏事編』web読書会)

※よくあることですが、写真と本文の内容はなんの関係もありません。 テキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号23 問う、「仏前の常燈、本説ありや」。 答う、「『資持記』には、長明燈と名づく。『五百問』を引いていわく、“もし仏…

よこみち【真読】 №33 「燈燭は手で扇いで消してもだめだったの!?」

今回の本編、その内容にびっくりされた人も多かったのではないだろうか。 ロウソクの明かりを消す時に「口で吹いてはいけない」とは、ちまたでもよく耳にする。だから息で吹き消さないで、手でぱふっと扇いで消すことが多いと思う。中には消灯用の小型うちわ…

【真読】 №33「燈を滅(け)すに口をもって吹くことを禁ず」 巻二〈供養部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号23 仏前の燈を滅(けす)に、手をもって扇いで滅(け)すと、口をもって吹くとを禁ず。『僧祇律』に見たり。「まさに箸を操(とっ)て炷を摂すべし」と云えり。

よこみち【真読】 №32 「マッチ売りの少女・・・、じゃなくて!」

たいへんフラチな連想で申し訳ないが、「燈」のよこみち・・と思いめぐらしてまっ先に頭に浮かんだのが、野坂昭如の『マッチ売りの少女』だった。 あんなところでマッチ燃やしたらやけどするんじゃないかな、と心配した高校時代。今の歳になって同じシチュエ…

【真読】 №32 「燈」 巻二〈供養部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号23 『文殊問経』に三十五の供養物を説きたまうに、初めに「燃燈・焼香・飲食・衣服」と列ねたまえり。 ○『燈指経』にいわく、「長者に一子あり。指に光明あるをもって燈指と名づく。その…

よこみち【真読】 №31 「不老長寿の花」

※閲覧注意。本文中の一部に不快な思いをさせるおそれのある内容があります。気の弱い方は閲読をご遠慮ください。 本編 №27 にいただいたMeiko Chichibu さんからのコメント。「私は亡き婆に“萎れた花を仏様にあげたまんまにしておけばだめ。仏様に申し訳ない…

【真読】 №31「供養華の枯れるを悪相とす」 巻二〈供養部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号22 問う、「行者、壇上の瓶華、もし日を経ても枯れ萎まざれば願成就の相とし、枯るれば行者の不吉とすと云う。出処ありや」。 答えていわく、「『陀羅尼集経』第一「仏頂印呪」に、行者…

よこみち【真読】 №29 & №30 「 ♪ 供養花もいろいろ咲き乱れるの~」

というわけで『蘇悉地羯羅経』を読んでみた。 なにが「というわけ」かと言うと、本編 №29と №30のことである。仏を供養するために、トゲのある樹に咲く花、ムクゲの花、臭い花や辛かったり苦かったりする花はいけないとある。でもなぜダメのなのかその説明は…

【真読】 №30「木槿(ムクゲ)の華を忌む」 巻二〈供養部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号22 また問う、「ムクゲの花を仏に献ぜずと云う、これも本拠ありや」。 答う、「『蘇悉地羯羅経』、供養花多種を説きたまい、用いざる花をも多種説きたまう中に木槿(ムクゲ)華出でたり…

【真読】 №29「刺(はり)ある樹の華」 巻二〈供養部〉(『和漢真俗仏事編』読書会)

webテキスト http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/818707 コマ番号22 因みに問う、「刺(はり)ある樹の花は調伏の所用にして、諸尊の供養物とせず、と聞けり。本拠ありやいなや」。 答えていわく、「『蘇悉地羯羅経』一にいわく、“諸華を用いる中に、た…